古い町並みが残る岐阜市の川原町に、小さな活版印刷所がある。今はほとんど姿を消した活版印刷。1本ずつ金属活字を選び、手作業で版を組み上げる。そして、手動の印刷機で1枚ずつ印刷物を作り出す。古き良き風景を想起させる、活版印刷の音に耳を澄ました。
かんたん検索! 岐阜県・東海のイベント お出かけ情報総合サイト「ぎふっと!」訪れたのは「ORGAN活版印刷室」(同市湊町)で、古い町家を使った施設「長良川てしごと町家CASA」の一室にある。
大小さまざまな金属活字を分類して保管する棚の前に立ち、原稿を基にして文選箱と呼ぶ箱へと活字を拾う。そろった活字をチェースという枠の中に並べ、行間や文字間を調整する部品を挟みながら、デザインを整えていく。ピンセットを使って細かく仕上げる作業では、合金の活字や部品が触れ合うかすかな金属音も聞こえてくる。
出来上がった版を印刷機にセットし、おもむろにレバーを引くと、あちこちの部品が一斉に動き出して「ガシャン」という音が響く。真っ白だった紙には、鮮やかな文字が浮かび上がっていた。代表の直野香文さん(40)は「活版印刷が持つ美しさと温かみが人を引きつける。技術を残すためにも、まずは活版印刷を広く知ってもらいたい」と語る。
【memo】
2013年9月に直野さんが開業した。廃業した印刷業者から引き取った機材や活字を使い、和紙といったさまざまな紙を使った名刺や年賀状、あいさつ状の印刷を請け負っている。活版印刷の魅力を伝えるワークショップも開いている。問い合わせは直野さん、電話090(1478)3156。





















