路上生活者の支援団体が行う炊き出しに集まった人たち=8日午後、名古屋市中区千代田

 昨年3月、岐阜市の河渡橋の下で路上生活をしていた男性=当時(81)=が襲撃され死亡した事件から1年以上がたつ中、名古屋市で再び路上生活者を狙った事件が起き、少年3人が逮捕された。同市北区の公園で暮らす被害者の男性(65)が岐阜新聞社の取材に応じ、襲撃の恐怖と少年たちへの怒りを語った。

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 男性は15年以上前から公園の一角にテントを張って暮らしている。最初の襲撃があったのは今年5月21日午前4時半ごろ。3人の男にエアガンのようなものを向けられ、BB弾を発射されたという。弾は顔に直撃。「竹ぼうきを持って追い掛けたが逃げられた」。その後も3人は6月2日まで計3回、早朝や深夜にやって来た。

 男性は最初の襲撃後に警察に通報。すぐに警察官が男性のテント付近で張り込みを始めた。捜査が実り、愛知県警は同月23日、住居不定の3人を暴力行為法違反で逮捕。いずれも18、19歳の少年だった。

 年に一度は襲撃の被害に遭っており、多くがグループでやって来るという。捕まえて説教したこともあるというが、暴力がエスカレートして死亡した岐阜市の事件も頭をよぎる。「一人のときに集団で来られると、怖いときもある」と男性。「彼らにとって襲撃はただの遊び。追い掛けられるのが面白いのではないか」とため息をついた。

 この男性をはじめ、名古屋市内の約120人の路上生活者の住まいを巡回し、食料支援などをしている「野宿者を支援する会」代表の東岡牧さん(57)は「襲撃は最近始まったことではない。数年前にも意識を失うほど暴行された人がいた」と深刻に受け止める。

 岐阜の事件以降、路上生活者を狙った襲撃問題に対する社会の関心は高まっている。河渡橋の下で路上生活をしていた男性は当時、名古屋市の被害男性と同様に何度も同じ少年グループから襲われ、警察に通報していたが、少年たちの姿が巡回する警察官に見つかることはなく、悲劇は起きた。東岡さんは「名古屋事件では、警察がすぐに張り込みをしたことで逮捕につながった」と、岐阜事件の教訓が生かされたと実感。襲撃するのは多くが少年グループだといい、「小中学生の段階での教育が重要。子どもたちに対して、路上生活者への差別を考えてもらう授業をしていきたい」と話している。

 【岐阜市ホームレス男性襲撃事件】 昨年3月25日未明、岐阜市河渡の河渡橋下の河川敷で生活していた男性が少年たちのグループに襲われ死亡した。事件以前に少なくとも6回襲撃しており、計10人ほどが関わっていた。当時19歳の少年5人が逮捕され、うち2人が傷害致死罪で実刑判決、1人は少年院送致、残る2人は不起訴処分となった。