長年二人三脚で競技に取り組んできた辻すみれ(左)と叔母の村瀬さゆりさん。辻の出身校、岐阜総合学園高校で、教員らから激励を受けた=6月、岐阜市須賀、同高校

 遂にその時が訪れた。29日に行われた東京五輪フェンシング女子フルーレ団体。リザーブの辻すみれ(21)=朝日大=が、1回戦途中からピストに立った。「東京五輪に出場する」という辻の夢、そして、辻が"第二の母"と慕い、長年指導を受けてきた叔母の村瀬さゆりさん(49)=岐阜市=の「五輪選手を育てたい」という二つの夢がかなった瞬間だった。村瀬さんは「とにかくうれしかった。すみれには感謝しかない」と喜びを語った。

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 辻の才能を見いだしたのが村瀬さんだ。幼い頃はバレエをしていた辻。負けず嫌いな性格だったことから、「絶対(相手と)戦わせた方がいい」と、自身も経験があるフェンシングを勧めると、これが的中した。小学3年で競技を始めてすぐに頭角を現し、常に全国上位に名を連ねた。

 辻がフェンシング部のない岐阜総合学園高校に進学したのも、村瀬さんが常勤講師で勤務しているから。専用の練習場はなく、体育館のステージや駐車場など空いている場所を見つけては村瀬さんの指導で練習に励み、高校2年でシニアの日本代表入りも果たした。学生になった今も、大学の練習以外に村瀬さんが代表を務めるフェンシングクラブ「はしまモアクラブ」でレッスンを受けている。

 この日、辻がピストに立った瞬間を画面越しに見守った村瀬さんは「登場シーンでいきなり涙した」と感慨深げ。ただ、辻も村瀬さんも過去最高の6位という結果に満足はしていない。あくまで目標は表彰台。辻が「納得のいく五輪ではなかった」と悔しさをにじませれば、村瀬さんも「流れを変えるほどの貢献はできなかった。パリ(五輪)につなげてほしい」と願う。二人三脚の日々は、まだまだ続く。