新型コロナウイルスの感染者が急拡大した第5波の状況に危機感を強める県医師会の河合直樹会長=20日午後、岐阜市内

 岐阜県内では連日、300人を超える新型コロナウイルスの新規感染者が続き、病床使用率は50%を超えるステージ4(爆発的感染拡大)に跳ね上がった。医療の逼迫(ひっぱく)が懸念され、無症状、軽症者の自宅療養が始まることに。まん延防止等重点措置の適用が始まった20日、県の専門家会議メンバーで県医師会長の河合直樹医師は「ハイスピードで感染者が増え、急速に病床が埋まっている。宿泊療養施設に続き病床までオーバーフローすれば、県内の医療体制は災害レベルに陥る危険性もある状態」と今後の見通しを示した。

 100人台だった新規感染者は、17日に300人台へと爆発的に増加。「盆休みに帰省や旅行、友人や親戚と会食をして感染するケースが目立った。それだけ人の動きがあったということだ。今月末にも300人台の感染になると予測していたが、想定よりもスピードが速い」と警戒する。

 第5波の感染者は30代以下が7割以上を占め、第3波、第4波よりも重症者は今のところ少ない。だが、全国的には40、50代や若者の重症者が多く出ており、感染者の急増による医療の逼迫を懸念する。「これまでとは比較にならないほど感染者が増えている。第4波では、100人台の感染者で病床使用率が7割を超えた段階で、圏域を越えて救急搬送するケースが岐阜や中濃で起きた。入院すべき患者が入院できない災害レベルに陥る危険性はそんなに遠くない将来、やってくるかもしれない」と強い危機感を示す。

 無症状、軽症の患者を受け入れる宿泊療養施設については「今日(20日)にも飽和状態となり、ゼロ堅持してきた自宅療養が始まる」とする。県は支援チームを設けるが、県医師会でも症状悪化などの急変時にかかりつけ医による往診、電話対応などができるよう準備を進めている。

 自宅療養の場合、最も不安を抱くのが急激な症状の悪化だ。「血液中の酸素を測るパルスオキシメーターの数値を判断基準の一つにしてほしい。96%以上なら軽症。93%以下はすでに中等症Ⅱの段階で酸素吸入が必要になる」と話す。県はパルスオキシメーター2千個を既に確保している。

 災害レベルが直前に迫った医療体制を守り、自宅療養ゼロに再び戻すために「人の流れを抑え込む行動自制や、どんな状況でも人と話す際はマスク着用の徹底を」と理解を求める。