練習を見守るFC岐阜の野崎コンディショニング・スーパーバイザー=宮崎市内

 J1浦和で選手から「ゴッドハンド」と呼ばれていた名トレーナーの野崎信行さん(61)が今季、J3FC岐阜に加わった。新天地では「コンディショニング・スーパーバイザー」の名称で、メディカル全般に尽力している。自身が考案したけが予防トレーニングも持ち込み、選手の好パフォーマンスを引き出す。

 東洋医学を学び、1987年にフジタ工業(現J1湘南)で指導を始めて、この道へ。95年からは浦和で26年間、アスレチックトレーナーを務めた。岐阜の小松裕志社長が浦和の下部組織でプレーした時にトレーニングを担当した縁があり、今回、オファーを受けて“移籍”を決めた。

 浦和ではリハビリを担当してきたが、岐阜での仕事の範囲は広い。「何でも屋でスタッフをフォローして、今までの経験を伝えられたら」

 注目すべきが、メインで担当する「MSC+Sトレーニング」。頭文字のMobility(可動性)、Stability(安定性)、Coordination(協調性)、Strength(強化)の要素を取り入れたもので、バランスボールやチューブなどを使って、浦和では2011年から実施してきた。

 サッカーは足を使う競技だが、上半身と体幹を鍛えることに重点を置く。「使い切れていない部分を使い、けがを予防するのが大きな目的」と話す。

 もともとは、リハビリの選手に全体練習に合流する前段階として課してきたトレーニング。けがをしていない選手がやることで発見があるという。「何か変調をきたした選手は、体の中に問題を抱えていることになる」。けがには選手同士の接触などで負う防げないもののほかに、潜在的な問題が顕在化されたものがあるといい、それをあぶり出してけがのリスクを減らす。

 チーム最年長、36歳のMF本田はキャンプ前のトレーニングで2日に1回ほどのペースで取り組んだと明かし「体の使い方や背中の部分を大事にしている。できない動きやきつい動きが分かり、自分の体をよく知れる」と感想を語った。

 野崎コンディショニング・スーパーバイザーは「今までいろいろな選手の治療やリハビリをして、学んだことは多い。引き出しはあるので、それぞれの選手にいいものを還元できれば」と意欲を示す。J2昇格を目指すチームを陰で支える。