2月26日に86歳で亡くなった俳優の川津祐介さん。テレビ番組の撮影で訪れた岐阜県中津川市と縁が深く、同市福岡で栽培が盛んな唐辛子「あじめコショウ」の生産者やファンでつくる「好辛(こうしん)倶楽部」の発足に大きく関わり、名誉会長として名を連ねた。会長の安保(あぼう)洋勝さん(84)=同市下野=は「川津さんは土を大切にする僕の姿勢を認めて、多くの人に広めてくれた恩人」と感謝する。
グーグル検索で岐阜新聞デジタルを優先表示!便利機能で岐阜のニュースをチェック川津さんは1998年に在名テレビ局の番組「てれび博物館」の撮影で、安保さんが発起人となって94年から進めていた旧坂下町(同市坂下)の農業体験学校「椛(はな)の湖農業小学校」を訪れた。番組は「土」をテーマに農小の有機質土壌と、他の地域から搬入した土の違いを作物栽培を通じて比較する企画だったが、収録序盤にハプニングがあった。「神聖な場所になぜそんな悪い土を運んできたんだ。番組ストップだ!」と、川津さんがすごい剣幕で怒ったという。安保さんは「川津さんに土作りを褒めてもらって自信ができた。土作りを一層頑張るようになった」と振り返る。
付き合いは番組内にとどまらなかった。川津さんは収録時に食べたあじめコショウの味を気に入り、安保さんが99年3月に立ち上げた倶楽部のメンバーに加わった。発足20周年を間近に控えた2018年秋の集会には、名誉会長として参加し「あじめコショウを一度、生でかじってみて。甘みも感じる。世界に向けて売り出してほしい」と呼び掛けた。安保さんは「川津さんがいたのでマスコミが飛び付いた。あじめコショウが広まったのは川津さんのおかげ」と考えている。
毎年年末になると、あじめコショウをはじめ、地元野菜やエゴマ油などを川津さんの元に送っていた。いつもはすぐにお礼の電話があったが、昨年の暮れは電話がなかった。農小の運営に関わった小林銷男さん(85)=同市下野=が昨年秋にまとめた農小23年間の記録集「たがやし ひとなる」も送付した。川津さんとの出会いにも触れたが、感想は聞けなかった。
安保さんは「銀幕の大スターが僕と付き合うなんて思いもしなかった。川津さんと出会うことができてよかった」と涙を拭った。









