小学生の娘に食事を与えず低血糖症で入院させ、入院時に支給される共済金を詐取したなどとして、詐欺罪などに問われた母親の無職縄田佳純被告(35)の判決で大阪地裁は21日、詐欺罪などは「犯罪の証明がない」と無罪とした上で、強要未遂罪の成立を認め懲役6月、執行猶予2年の判決を言い渡した。求刑は懲役3年6月だった。

 被告は公判で「(共済金を)請求したのは事実だが、娘の体調を悪化させようとしていないし、だまそうとしていない」と起訴内容を否認していた。

 岩崎邦生裁判長は判決理由で、詐欺と暴力行為法違反の罪について、低血糖症で入退院を繰り返していた娘に対する食事指導を被告が医師から受けており、必要な栄養を与えなかったとはいえないとし「食事を与えず継続的に低血糖症にさせたとは認められない」と判断。娘が下痢になったのはストレスが理由だった可能性もあるなどとし、被告に下剤を飲まされたとする娘の供述にも変遷があり「記憶違いとの疑問がある」と指摘した。