また新たな2年生ニューヒーローが誕生した。関商工の左腕・小川輝也。八回途中まで12奪三振の快投で、初戦で第1シードの大垣商を破った大垣西を撃破した。第107回全国高校野球選手権岐阜大会第6日は20日、ぎふしん長良川球場などでC、Dブロックの2回戦を行い、関商工が大垣西を4―1で下し、ベスト16に名乗りを上げた。第1シードのV候補岐阜第一は、岐阜各務野の難投左腕をビッグイニングで攻略し、七回コールドの10―2で3回戦に駒を進めた。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

 ◆最速136キロながら、切れのいい直球をコースに決め12奪三振

8回2死まで1失点、12奪三振の好投をみせた関商工の2年生左腕小川輝也=長良川

 「この左腕は絶対ものになる」。昨年、関商工の特別顧問だった名将阪口慶三さんが予言した快投を1年後の夏のマウンドで実現し、小川は岐阜大会のニューヒーローに躍り出た。

 初戦の多治見戦で先発し、5回を投げ被安打3、8奪三振の無失点。初戦快勝に導いた好投を受け、江崎大輔監督は、大垣商撃破で勢いに乗る大垣西との2回戦でも先発マウンドに送った。

 立ち上がりから多治見戦でも抜群の切れをみせたストレートがコーナーに決まり、毎回奪三振を続ける。「ピンチに強い」と自ら語るように安打を打たれても強気のマウンドで、大垣商ダブルエースを攻略した大垣西打線に得点を与えない。

 中盤からは、切れのいいスライダーをうまく交えて、さらにほんろう。ストレートも走り、自己最速の136キロもマークした。三振がなかったのは六回のみ。八回に連続三振の直後、連続二塁打で初失点してマウンドを譲るまで、自身最多の12奪三振をマークした。

 「本来は三振を取るピッチャーでなく、打たせて取るタイプ。球の切れが出てきたことが三振につながっている。投げるたびに成長している」...