【ワシントン共同】トランプ米大統領は3日、南部ルイジアナ州ニューオーリンズの治安対策で州兵派遣を検討していると明らかにした。ホワイトハウスで記者団に語った。共和党のトランプ氏はこれまで、野党民主党の地盤である中西部イリノイ州シカゴや東部メリーランド州ボルティモアへの派遣方針を示しており、新たに対象を拡大した。
ニューオーリンズのカントレル市長は民主党だが、ルイジアナ州のランドリー知事は共和党。ランドリー氏はXで「大統領の支援を受ける」と表明。州兵は通常、知事の要請を受けて配備するため、民主党の地元知事が反対しているイリノイ州やメリーランド州より派遣が容易とみられる。
NBCニュースによると、ニューオーリンズの犯罪発生率は前年比21・5%減少している。だがトランプ氏は3日、ニューオーリンズの治安が「悪化している」と主張した。
州兵派遣は治安改善の抜本対策にはならず、民主党の政治基盤に圧力をかける手段との見方が強いが、トランプ氏は、反発するイリノイ州知事らが「犯罪防止に反対している」と攻撃材料にしている。