おじさんには、おじさんの食べたいものがある。「俺たちの岐阜メシ」は、岐阜市在住の食通・山本慎一郎さん(山本佐太郎商店社長)が、年間300日以上の外食生活で出会った“リアル岐阜メシ”を語る連載企画です。2回目は鮎。焼き加減、あなたはしっとり派?よく焼き派?それとも両取り?(原則月1回掲載。岐阜新聞デジタル独自記事です)
◆塩焼きが最高だとしても・・・
岐阜の料理人は鮎をどうやったらおいしく食べてもらうか考え抜く。
たどり着いたひとつの結論が塩焼きである。


鮎は英語でsweetfish、中国語では香魚となる。鮎は住む川の苔を食べ香りを宿す。香りは皮と内臓に強く残る。水分は身の食感をつくる。
さて、ここで焼き方と好みが二手に分かれる。
しっとり派とよく焼き派である。
しっとり派は短時間で焼き上げることにより、身に水分を残し、しっとりふわっとさせるが、頭や骨に火が通り切らないため頭や骨は食べ残すことになる。(※時期とサイズにもよるが)
よく焼き派は炭火の遠火などでじっくりと時間をかけて火を通すことにより、頭から骨まで余すことなく一匹を丸ごといただけるが、水分を抜くことになるため身にパサつきが出る。実に悩ましい二律背反。


この両立を中華の調理方法を用いて叶えたのが岐阜が誇る中華の名店、開化亭(同市鷹見町)と小菜中華hiro(同)である。...