ナチス・ドイツに略奪され、アルゼンチンで見つかった肖像画=3日、マルデルプラタ(ロイター=共同)

 【サンパウロ共同】南米アルゼンチンの捜査当局は3日、第2次大戦中のオランダでナチス・ドイツに略奪され、約80年間行方が分からなくなっていた絵画をアルゼンチン国内で発見したと明らかにした。不動産広告に掲載された家の中に飾られていたのが見つかり、捜査当局が行方を追っていた。

 地元メディアによると、絵画はイタリアの画家ギスランディが17〜18世紀に描いた女性の肖像画で、オランダのユダヤ人美術商が所有していた。

 広告に掲載された家はアルゼンチン東部マルデルプラタにあり、戦後にドイツから移住したナチスの元高官が住んでいた。元高官は既に亡くなり、娘が家を売りに出し、不動産業者がウェブサイトに広告を掲載。部屋を紹介する写真の中に略奪された絵画が写っているのをオランダの新聞記者が見つけて報道した。

 地元警察はすぐに家を捜索したが、絵画は発見できず、その後に元高官の娘が弁護士を通じ絵画を当局に引き渡した。