「石徹白洋品店物語」
石徹白洋品店店主の平野馨生里さん(提供)

 岐阜県と福井県の県境にある小さな集落、郡上市白鳥町石徹白(いとしろ)。この地に伝わってきた野良着を現代に蘇らせている「石徹白洋品店」をご存知ですか。岐阜市出身の夫婦が移住して始めた小さな洋品店が日本中から注目されています。消えてしまいそうだった伝統の再発見、廃校寸前だった小学校に響く子どもたちの声。どうやってこんな奇跡のようなことが実現したのでしょう。石徹白洋品店の店主、平野馨生里さんが家族でつむいできたストーリーが本になりました。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

 1981年、岐阜市に生まれた平野さんは慶応大学総合政策学部卒業後、PR会社勤務、結婚を経て、2011年、夫の彰秀さんと石徹白へ移住しました。

 白山登山口にある石徹白は縄文時代から人が住んできたといいます。長い伝統のある地で、平野さんは消えかけていた「たつけ」という野良着に出会いました。そこからストーリーが動き出しました。...