過去20年の小学校ごとの児童数データを基に、地域事情や子育て世代の住宅ニーズを考えるこの企画。第8回は高山市編です。コロナ禍が明け、観光客が増加している高山市ですが、児童数は全小学校でマイナスという結果となりました。特に、平成の大合併で高山市に編入した旧町村部で減少が激しく、学校統合や義務教育学校化など教育環境を維持する取り組みも進められています。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

◆市内19小学校すべてが減少

 参考にしたのは岐阜県が毎年公表している5月1日時点の公立小学校ごとの児童数です。

 公表データのうち最も新しい2024年度の高山市の児童数は4005人。一番古い2005年度は5755人で、20年間で1750人減少しました。減少率はマイナス30%です。

 市内には19の小学校があり、すべてで減少となりました。

【下記グラフについて】
[replay] ボタンをクリックすると繰り返し動くグラフを見ることが出来ます。
[Scores] 生徒数を表します。
[Ranks]  順位を表します。
動くグラフの各校区の線をタップすると、その校区だけ目立たせることが出来ます。

 高山市といえば、古い町並みや多数の温泉地がある全国的に名の知れた観光地。コロナ禍でいったん落ち込んだ観光客の入り込み客数は、2024年まで3年連続で増加し、25年も前年同期比プラスで推移しています。これに伴い、25年の地価公示では、古い町並みのある「高山市上三之町」が対前年変動率プラス28.8%と、県内商業地でトップの上昇率となりました。

 一方で、児童数はコロナ禍が本格化した20年以降も減少の一途をたどっており、...