記者会見する国家衛生健康委員会の雷海潮主任=24日、北京(ロイター=共同)

 【北京共同】中国の保健衛生当局トップ、国家衛生健康委員会の雷海潮主任(閣僚級)は24日、記者会見し、2030年までに中国の平均寿命を24年の79歳から80歳前後に延ばす目標を表明した。共産党の重要会議、第20期中央委員会第4回総会(4中総会)が基本方針を採択した第15次5カ年計画(26〜30年)に基づき医療水準の向上を図る考えだ。

 平均寿命が延びれば少子高齢化が加速することから、習近平指導部は長寿を実現すると同時に福祉対策の強化を急ぐ。

 中国の統計によると、1981年に67・7歳だった平均寿命は96年に70歳を超え、2020年に77・9歳になった。21〜25年の第14次5カ年計画で「平均寿命を1歳延ばす」と明記。24年に79歳となり、目標を前倒しで達成した。

 少子高齢化が加速する中国は労働力確保のために定年年齢を段階的に引き上げており、雷氏はシニア世代の就業を後押しするとともに、「銀髪経済(シルバー経済)」と呼ばれる高齢者向け消費市場を発展させる考えを示した。