文化審議会は24日、国が指定する重要無形文化財の対象に、食など生活文化の分野を追加するよう文部科学相に答申した。早ければ来年度にも料理人や杜氏から「人間国宝」(重要無形文化財保持者)が誕生する可能性がある。重要無形文化財の制度見直しは約50年ぶり。海外から日本の食文化に注目が集まる一方、各地で担い手が不足しており、優れた技能を次世代につなげることを目指す。
重要無形文化財は、価値が高い無形の「わざ」を国が指定し、高度に体現する個人や団体を認定する制度。保持者として認定された個人は人間国宝とも呼ばれ国から支援を得られるが、現在は芸能と工芸技術の2分野に限られていた。
文科省はパブリックコメントを踏まえ、早ければ年内に新制度を告示する。京料理や伝統的酒造りなど6件の登録無形文化財や、文化審が今回、7件目として答申した「加賀料理」などから人間国宝の選定に向けた検討を始めるとしている。
「和食」や「伝統的酒造り」がユネスコの無形文化遺産に登録され、国内外から日本の生活文化への関心が高まっている。






