美濃市役所前に設けられた市長選の選挙ポスター掲示場。当選を目指さなかった宮島大輔さんは自身の顔写真を載せなかった=10月31日、同市上条

 選挙とは何か-。2日投開票された美濃市長選では、岐阜県内で初めて「当選を目的としない」ことを公言する立候補者が現れた。当初は居住地も経歴も明かさず、選挙ポスターなどに記載する通称名を「Mさん」として届け出た。告示から投開票日まで姿を見せる選挙活動は行わず、交流サイト(SNS)だけで発信を続けた。異例とも言える行動は選挙制度の根幹を揺さぶり、市民や行政、さらには報道に対し、選挙の在り方への問いを投げかけた。

 「私、Mさんは美濃市長選に立候補します。私の目的は当選ではなく、『公平な選挙の可視化』です」。告示された先月26日、「Mさん」を名乗る同市出身でIT会社役員の宮島大輔さん(39)の陣営が「立候補のお知らせ」と書かれた紙を報道関係者に配布した。本人は入院していたため、市役所で立候補の届け出を行ったのも、報道陣に紙を配ったのも弟だった。取材にはスピーカー状態にしたスマートフォンを通して本人が応対。選挙期間中は病室からSNSで発信を重ねたが、街頭活動は一切行わず。選挙ポスターは投票箱に票を入れるイラストにし、協力者が掲示場に貼ったという。

 市選管事務局の橘昌宏次長は届け出を巡るやりとりについて...