記録的な流行となっている感染症「百日ぜき」を巡り、国立健康危機管理研究機構国立感染症研究所などが7〜9月に患者から採取した百日ぜき菌や検体を調べた結果、抗菌薬の効かない「耐性菌」が8割を占めたことが22日、分かった。耐性菌の遺伝子型は、中国で昨年流行した型に近かった。訪日客などから国内に広がった可能性がある。
新型コロナウイルスの感染対策に伴い、百日ぜき菌への免疫が弱まったとされる中、耐性菌の広がりが治療を難しくしている。感染研細菌第二部の大塚菜緒第一室長は「感染したのが耐性菌かどうかはすぐには分からない。だが既に全国へまん延しており、耐性菌の可能性も考えて治療に当たる必要がある」と話している。
百日ぜきは激しいせきが特徴で、今年は11月9日までに累計患者数が8万5千人を超えた。現在の集計法となった2018年以降で最多だった19年の5倍以上で、患者は10代以下が多い。特に乳児は、けいれんや呼吸停止といった症状に進展し、肺炎や脳症で死亡することもある。













