全国民の健康保険証(従来型)が有効期限を迎え、マイナンバーカードに保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」を基本とする仕組みに2日から完全移行する。持っていない場合は自治体や健康保険組合などが発行した「資格確認書」で受診。一方で混乱を避けるための暫定措置として、来年3月末までは期限切れの保険証でも窓口での自己負担を10割ではなく、通常の1〜3割で保険診療を受けられる。

 厚生労働省は、マイナ保険証では患者の健康状態や薬の処方歴をスムーズに確認できるメリットがあると説明。ただマイナ保険証の利用率は4割弱と伸び悩み、利用をどう広げるかが課題となる。

 1日に期限を迎えたのは、大企業の会社員や家族らが入る健康保険組合、中小企業向けの「協会けんぽ」、公務員らの共済組合。いずれも昨年12月2日に新規発行が停止し、「最長で1年間は有効」としてきた経過措置が終了した。

 自営業者らが入る国民健康保険の約7割は今年7月末に、他の約3割も12月1日までに順次、期限切れに。75歳以上が入る後期高齢者医療制度も7月末に期限が切れた。