参院予算委で質問を聞く高市首相=15日午前

 参院予算委員会は15日、2025年度補正予算案に関する総括質疑を実施した。高市早苗首相は、所得税が生じる「年収の壁」引き上げに関し「与党の税制調査会で、現段階では課税最低限は168万円までたどり着いた」と語った。上げ幅や減税の恩恵を受ける対象などについて「議論を深める段階に来ている」とした。最低賃金の引き上げへ環境整備を進める考えも重ねて示した。

 自民党は年収の壁を巡り、国民民主党が主張する178万円への引き上げに前向きな姿勢を示しているが合意には至っていない。予算委で首相は「働き控えの解消と、手取りを増やすとの方向性は一致している」と指摘した。公明党の杉久武氏への答弁。

 国民民主の田村麻美氏は、20年代に最低賃金を全国平均で時給1500円にするとした石破前政権の目標を引き継ぐのかどうかただした。首相は「一般的な賃金の状況や事業者の経営状況といった経済動向を踏まえて検討する」と答えた。「これまでの内閣以上に、事業者が継続的に賃上げできる環境整備を徹底する」とも強調した。