宇津木妙子さん(右)の旭日小綬章受章などを祝う会に参加した王貞治さん=9日、東京都内(球心会提供)
 着物姿でノックを披露する宇津木妙子さん(右)=9日、東京都内

 ソフトボール女子日本代表の元監督、宇津木妙子さん(72)の旭日小綬章受章とソフトボール人生60年を祝う会が9日、東京都内のホテルで開かれ、スポーツ界や政財界から約350人が参加してその功績をたたえた。着物姿のまま、代名詞の「高速ノック」を五輪メダリストの教え子ら相手に披露する場面もあり、会場を盛り上げた。

 「女性に監督は無理」と言われた時代から道を切り開き、厳しさと愛情の指導を大切にする。プロ野球ソフトバンク球団会長の王貞治さん(85)は祝辞で「先駆者として歩まれ、指導する天才」と称賛。現在も普及活動で国内外を飛び回る宇津木さんは「バットが持てなくなるまで頑張る」と笑顔であいさつした。

 実施競技に復帰した2028年ロサンゼルス五輪で金メダルを目指す宇津木麗華監督(62)は、30年以上前に中国から来日して日本国籍を取得し、宇津木姓を名乗るようになった。「15歳の頃から憧れの存在だった。父親に国籍変更はすごく反対されたが、妙子さんに直接会って許してくれた」と懐かしむ。