世界農業遺産認定から10年を迎えた「清流長良川の鮎」
新入りの鵜を世話する杉山雅彦鵜匠代表=岐阜市長良

 岐阜が世界に誇る「清流長良川の鮎」が今月、国連食糧農業機関(FAO)の世界農業遺産に認定されてから10年の節目を迎えた。人の生活や水環境、漁業資源が密接に関わる「長良川システム」が評価され、認定後も各地で価値を高める取り組みが進んできた。近年は気候変動への対応や海外輸出のように新たな展開が進む中、清流が育むふるさとの宝を永遠(とわ)につなぐため、流域に生きる人々は決意を新たにしている。

 「漁をすること自体が、長良川の自然を享受する表現でもある。日本が誇る天下一の鮎。もっと価値を高めたい」。...