有機フッ素化合物(PFAS)

 健康影響が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)が、来年4月から水道法上の水質基準の対象になるのを前に、環境省と国土交通省は25日、水道水の全国調査結果を公表した。社宅や病院、自衛隊施設などに生活用水を供給する専用水道8056件のうちPFASの水質検査を実施済みなのは約半数の4353件にとどまり、実態が把握できていない。

 水質基準の対象になるのは、PFASのうち代表物質PFOSとPFOAで、現在の目標値と同じ2物質合計で1リットル当たり50ナノグラム(ナノは10億分の1)。2020年4月〜25年8月に専用水道で目標値を超過したのは計59件で、把握できた場所は上水道への切り替えなどで対策は進んでいる。

 現在は検査義務がなく、費用などが設置者負担であることが実態把握が進まない理由とみられる。環境省は「検査実施を引き続き要請する」とした。専用水道のうち民間施設の詳細や具体的な値は示されなかった。国が管理する施設では航空自衛隊新田原基地(宮崎県)などで目標値超過が確認された。