車輪サイズそのままで性能向上、第10回ロボデックスでデモ

2026年 1月15日
東京都立産業技術研究センター

  建設現場では、人手不足を背景に搬送作業の自動化が求められています。しかし多くの現場では床に段差や継ぎ目があり、また、狭い場所での移動が必要であるため、従来の搬送ロボットでは対応できないケースがありました。

 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター(都産技研)は、段差乗り越え性能を従来比最大7.5倍(注1)に向上した全方向移動機構を開発しました(特願2025-166635)。本技術は車輪サイズを変えずに実現しており、建設現場のほかに工場・倉庫・医療介護施設など、狭い場所での搬送自動化に貢献します。

 2026年1月21日から東京ビッグサイトで開催される第10回ロボデックス(都産技研ブース S3-26)にて実機デモを行います。

図1 メカナムホイール図2 トー角を変更できる今回のロボット
注1:同一の車輪サイズかつ車体と平行な段差に対して本技術を適用した場合

1.メカナムホイールとは

 メカナムホイールは、車輪の周囲に45度に傾いたローラ(バレル)を複数配置した特殊な車輪です(図1)。4つの車輪の回転方向を個別に制御することで、車体の向きを変えずに前後左右あらゆる方向へ移動できます。狭い通路での長尺物搬送や、アームを搭載した作業ロボットなどに採用されています。

 しかし従来のメカナムホイールには、横移動時に段差乗り越え性能が低くなること、またエネルギー損失が大きく推進力が低くなるという2つの課題がありました。

 

2. 開発のポイント

 本研究では、ロボットを真上から見たときの車輪の傾き「トー角」を0度から25度まで走行中に変更できる機構を開発しました(図2)。これにより以下の3つの効果が得られます。

段差乗り越え性能向上 

トー角を変えると車輪のエッジが段差に接触しやすくなります。このエッジに防滑部品を取り付けることで、乗り越え性能が大幅に向上しました。前後移動時にも有効です。

推進力の向上

従来は損失していた力を転換することで、推進力を従来比1.5倍(注2)に向上しました。ベアリング追加による改善策ではバレルの回転軸が細くなり耐荷重が低下しますが、本方式では耐荷重を維持したまま推進力を高められます。
注2:同一ロボットでトー角0度と25度で比較した場合

位置決め精度の維持

全方向移動機能を保持しているため、高い位置決め精度を維持できます。また移動しながらトー角を変更できるため、4輪ステアリング方式のような方向転換時の一時停止が不要で、タイムロスが発生しません。

 

3. 今後の予定

本システムの実機デモと、開発担当者による説明を下記展示会にて行います。 取材も受け付けています。

展示会名:第10回 ロボデックス

会期:2026年1月21日(水)〜23日(金) 10:00〜17:00

会場:東京ビッグサイト 南棟1階(小間番号 S3-26)