1955年に発生した森永ヒ素ミルク事件で脳性まひになった女性(71)側は10日、進行する症状に対し救済が不十分だとして森永乳業(東京)に5500万円の損害賠償を求めた訴訟で、一審大阪地裁に続き請求を退けた大阪高裁判決を不服とし上告した。

 1月29日の高裁判決は、症状の悪化で生じた損害は頸椎が変形する病気と診断された95年時点と同じで、それ以降に質的に異なる損害が生じたとはいえないと指摘。不法行為から20年で賠償請求権が消滅する「除斥期間」が経過したと認めた。

 弁護団は上告に関し「健康状態について、予測不可能な特殊事案であることに配慮すべきだ」とのコメントを出した。