スピードスケート女子1000メートルのレース会場に姿を見せた高木菜那さん=9日、ミラノ(共同)

 スピードスケート高木美帆にひときわ熱い視線を注ぐのが、五輪金メダリストで姉の菜那さんだ。1500mで頂点を狙う妹に「最高のガッツポーズが見たい」と期待を寄せる。テレビ解説の仕事などで現地に滞在。15日の500mでは2個目の銅メダルを自分のことのように大喜びした。

 心の奥にライバル意識を抱いてきた美帆との関係は、北京五輪後の現役引退から変化した。2年前は2人でスペイン旅行。昨春修了の大学院では兄弟、姉妹アスリートの関係性を論文をまとめた。過去の葛藤も客観視できるようになり、スケートの会話も増えた。

 今季序盤、美帆はW杯1500mでは6季ぶりに表彰台を逃すなど不調に苦しんだ。菜那さんは五輪前にあえて調子を抑える海外選手の例を伝えた。そのW杯は低気圧で好条件が整い、世界新記録が続出。だが妹の1500mの記録はそのままで「抜かれたら美帆の心は折れていたと思う。それがなかったのは大きい」と推察した。

 美帆は復調し五輪を迎え、本命種目は強敵のオランダ選手が出場権を逃した。「風は吹いている。あとは美帆がどうつかむか」