箸墓古墳前方部周辺の発掘で確認された「渡り土堤」(右奥)=19日、奈良県桜井市

 奈良県桜井市教育委員会は19日、邪馬台国の女王卑弥呼の墓説もある箸墓古墳(約280メートル、3世紀中ごろ〜後半)の前方部の内濠に、築造時のものとみられる「渡り土堤」が発掘で見つかったと発表した。市教委は「人が通る通路や、内濠に水をためるせきの役割だった」と説明。箸墓は最古級の巨大前方後円墳とされ、実態を知る手がかりとして注目を集めそうだ。

 寺沢薫纒向学研究センター所長(日本考古学)は「古代中国の神仙思想に基づき、古墳の周りを水で囲むことで海に浮かぶ島に見立てたり、周囲から隔絶させて被葬者の権威を示したりしたのではないか」とした。

 市教委は1998年度の調査で後円部にも渡り土堤を確認しており、2カ所目となる。今年1月から始めた調査で見つかった土堤の長さは約6・4メートル。断面は台形状で、上側の幅が2メートル以上、下側の幅3メートル以上、内濠の底からの高さは1・6メートル以上だった。出土した土器の年代から、築造当初のものとした。