~タイヤにかかる荷重を検知する機能が初採用~

発行:2026年3月4日


独自のソフトウェア技術「センシングコア」を中国の商用EVへ搭載 ~タイヤにかかる荷重を検知する機能が初採用~

 DUNLOP(社名:住友ゴム工業(株)、社長:山本悟)は、タイヤや車両、路面の状態を検知する独自のセンシング技術「センシングコア」をグローバルで展開しています。このたび、センシングコアの「タイヤ荷重検知」と「タイヤ空気圧検知」が、中国商用EV市場の主要プレイヤーである重慶瑞馳汽車実業有限公司(以下「瑞馳社」)の新型商用EV「瑞馳C5」※に搭載されました。センシングコアの中国展開は今回が初であり、当社におけるタイヤ荷重検知の搭載は世界初となります。

 タイヤ荷重検知は、荷物の積載量や積載位置の変化をリアルタイムに検知し、検知結果を車両制御に提供します。積載状態の変化によって生じる「発進・停止・旋回時の不安定な運転フィーリング」を抑制し、ドライバーの負担軽減や荷物の安定輸送に貢献します。本機能は今後、瑞馳社の他モデルへの展開も予定されており、当社では引き続き採用拡大に取り組んでまいります。

※瑞馳C5公式サイト(中国語):https://www.rc-ev.com/cms/a/C5QYZC.html

 

 

センシングコアの5つの機能図

 

採用の背景

 中国ではEC需要の拡大を背景に、都市部における短距離・高頻度配送が急増しています。あわせて、自動運転や運転支援機能の普及も進んでいます。とりわけ先進運転支援システム(ADAS)を備える車両では、一定の積載状態を前提とした制御が行われるため、実際の積載状態と制御との間にずれが生じ、ドライバーの快適性や荷物の安定性に影響を及ぼすケースが見られています。その結果、商用車両おいては、積載状態に左右されにくい、加減速制御の滑らかさや安定性が、これまで以上に重視されるようになってきました。

 この度、これら一連の課題に対する有効な解決策として当社のタイヤ荷重検知が採用されました。追加センサーを必要とせず、既存車両の構成を変えずに導入できる点に加え、コスト面でのメリットも大きな決め手となりました。

 

センシングコア「タイヤ荷重検知」の技術概要と提供価値

タイヤ荷重検知のイメージ図

 

センシングコアとは

 センシングコアは、タイヤの回転から得られる車輪速データと、車両に流れるCANデータ(車両制御情報)を解析することで、タイヤや車両の状態を検知する当社独自のソフトウェア技術です。タイヤの空気圧や摩耗状態、タイヤにかかる荷重、路面状態、さらには車輪脱落の予兆などを、追加のセンサーを用いることなく検知できる点を特長としています。

 

タイヤ荷重検知(今回搭載された機能)

 瑞馳社の新型商用EV「瑞馳C5」に搭載されたタイヤ荷重検知は、積載量や積載位置の変化に応じて、左右のタイヤにかかる荷重の合計値を前後それぞれの車軸に対してリアルタイムで検知する機能です。検知された荷重情報は車両制御に提供され、積載状態に応じた加減速時のトルク出力やブレーキ制御の最適化に活用されます。これにより、荷物の積み下ろしを繰り返す都市部配送においても、積載状態の変化に左右されにくい、滑らかで安定した運転フィーリングを実現します。

 

【タイヤ荷重検知による改善効果】

 タイヤ荷重検知の導入により、都市部配送における走行安定性や運転フィーリングの向上に加え、エネルギー効率の改善など、さまざまな効果が期待されます。

項目

従来の課題

改善効果

運転フィーリング

積載状態によって車両挙動が変わる

常に滑らかな加減速を維持

ドライバー負担

感覚補正が必要で疲労増加

一貫した車両挙動により安心感・快適性向上

エネルギー効率

不要なトルク出力による電費悪化

荷重に応じた制御で効率的な走行を実現

荷物保護

急な加減速時の荷崩れ

慣性力を抑制し、荷崩れ・破損リスクを低減

車両耐久性

ブレーキ摩耗や部品負荷の増大

制動バランスの最適化で車両寿命を延長し、

トータルコストの低減を実現

 

今後の展望

 当社では、CASE/MaaSに対応する高い安全性能・環境性能を実現するために、タイヤ開発および周辺サービスの開発コンセプトとして「SMART TYRE CONCEPT(スマートタイヤコンセプト)」を掲げています。その周辺サービスの中核を担うのが「センシングコア」です。当社はセンシングコアをタイヤ・スポーツ・産業品に次ぐ主要事業の第4の柱として育成していく考えです。

 この方針のもと、タイヤ荷重検知は、モビリティ分野の中でも特に商用車両の領域において、センシングコアの価値を具体的に実装・展開していく重要な役割を担うものと位置づけています。都市部配送における頻繁な発進・停止や積載状態の変化といった課題は、中国に限らず、日本を含むアジア各国においても共通するものです。当社は今回の採用を契機に、国内外でのさらなる展開を目指します。

 

・会社名   :重慶瑞馳汽車実業有限公司

・車両名   :瑞馳C5

・車 種     :小型トラック

・販売開始時期:2025年12月

・販売目標台数:20,000台/年

・販売地域  :中国

 

 

 当社は2026年より、コミュニケーションブランドをDUNLOPに統一しました。

 DUNLOPは、「挑戦を支える安心」「期待を超える体験」「限界への挑戦」という3つの提供価値を、すべての商品・サービスで体現し、革新的な体験を通じて世界中の人々にポジティブな感情を生み出すことを追求していきます。

  ブランドステートメント「TAKING YOU BEYOND」には、挑戦するすべての人々の可能性を広げ、その先へ導く存在であり続けるという想いを込めています。