裸眼で過ごすという「新しい花粉対策」としてのICL治療

2026年3月12日
スターサージカル株式会社

ICL Newsletter

 

専門家インタビュー 花粉シーズンに考える「目の健康」と視力矯正 裸眼で過ごすという「新しい花粉対策」としてのICL治療

 

春先になると、多くの人が悩まされる花粉症。くしゃみや鼻水だけでなく、「目のかゆみ」「充血」「ゴロゴロ感」といった眼の症状(季節性アレルギー性結膜炎)に悩む人も少なくありません。特に、コンタクトレンズを使用している人にとって、花粉シーズンは最もストレスを感じる時期と言えるでしょう。当社が20253月に実施した「近視が気になる2040代男女への意識調査」でも、近視のある人が日常生活の中で「わずらわしい」と感じることの第2位に「花粉症」が挙がるほどです(1)。この結果は、近視自体の不便さに加え、花粉シーズンにおける目の不快感が、視力矯正を必要とする人にとって負担となっている現状を示しています。

 

本ニュースレターでは、花粉シーズンにおける目のトラブルと視力矯正の関係に着目し、「裸眼で見えること」が花粉対策としてどのような意味を持つのか、そして近年注目されているICL(眼内コンタクトレンズ)治療という新たな選択肢について、ICLインストラクター(指導医)の資格を持つ、朝生浩先生(経堂あそう眼科院長)に話を聞きました。

 

花粉とコンタクトレンズが引き起こす、目のトラブル

 

花粉症は、いまや日本人の2人に1人が発症する「国民病」です。近視のある人を対象としたアンケート調査でも(1)、花粉症に伴うアレルギー性結膜炎は、「災害時の不安」および「ドライアイ」と並び、悩みのトップ3を占めています。花粉症は、本来は人体にとって無害である花粉を、身体の免疫システムが有害な異物として認識してしまい、過剰反応することで生じるアレルギー性疾患です。花粉症の原因は多岐にわたり、春はスギやヒノキ、初夏はカモガヤやオオアワガエリ、秋はブタクサやヨモギなどの花粉が知られています(2)。

 

AI生成イラスト

 

中でも、特に患者さんの多いスギ・ヒノキの花粉は、毎年2月上旬ごろから花粉の飛散時期が始まると、3月頃に飛散量のピークを迎えます。そのため、この時期になると多くの花粉症の患者さんたちが、目やまぶたの強いかゆみ、目の充血、異物感などを訴えて、眼科を受診しています。こうした症状を季節性アレルギー性結膜炎ともいいます。

 

さらに近視のある人の場合、普段つけているコンタクトレンズが季節性アレルギー性結膜炎の症状を悪化させている可能性も考えられます。その理由のひとつが「ドライアイ」です。コンタクトレンズを装用することによって、涙の量が減少したり、涙が蒸発して眼表面が乾きやすくなり、裸眼時はドライアイではない人でもドライアイ症状が出現する場合があります(3)。朝生先生は、「ドライアイとアレルギー性結膜炎が重複すると、アレルギー性結膜炎の症状が重症化しやすい」と注意を促します。また、コンタクトレンズのよごれが免疫の過剰反応を引き起こし、ときには「巨大乳頭結膜炎(4)などの眼疾患に至る場合もあります。朝生先生は、こうした様々な症状の相乗効果によって、コンタクトレンズが季節性アレルギー性結膜炎の症状を悪化させている可能性もあると指摘します。

 

花粉シーズンにおける適切な対策が将来の視力を守る

 

季節性アレルギー性結膜炎は、症状が軽度であれば点眼液でも症状を抑えることが可能です。したがって、まずは眼科で正しい診断・治療を受けることが大切です。また花粉症に加えて、通年性アレルギー(ハウスダスト、ダニ、ペットの毛などが原因物質となるアレルギー症状)によるアトピー性皮膚炎を併発している場合は、季節性アレルギー性結膜炎も悪化しやすく、かゆみで目を強くこすったり、叩いたりすることで眼球にダメージが蓄積して、将来の白内障や網膜剥離などの発症リスクを高めることがわかっています。朝生先生は「アトピー性皮膚炎を併発している場合は、適切な治療で症状を管理することが大切です」と強調します。

 

花粉シーズンとも相性のよいICL治療という選択肢

 

朝生先生は、日常生活において矯正手段が必要な程度の近視があって、かつ(原因が季節性および通年性を問わず)アレルギー性結膜炎に悩んでいる人にとっては、ICL(眼内コンタクトレンズ)治療も、有効な解決策になりうると提案します。ICLは、眼内にレンズを挿入する視力矯正の方法です。既存の視力矯正のうち、レーシック(5)やコンタクトレンズは、ドライアイのリスクを高めてしまう可能性があるのに対して、ICLはドライアイのリスクに影響を及ぼしにくいと考えられています。またレンズが眼内にあることから、レンズが花粉やほこりなどを付着するリスクもなく、レンズのよごれに起因する結膜炎などの心配もありません。

 

朝生先生が診療してきた患者さんの中にも、季節性アレルギー性結膜炎とドライアイが合併して結膜炎が悪化して、コンタクトレンズが装用できないと訴える人も少なくありません。その中には、視力矯正をICL治療に切り替えたことで、結膜炎とドライアイの両方の症状が改善したという人もいます。ただし朝生先生によれば、アレルギー性結膜炎の症状がひどい場合は、まずは症状の改善が最優先であり、ICL治療は結膜炎の状態が落ち着いてから行うことが望ましいと説明します。そのため、たとえば毎年同じ時期にひどい花粉症がある場合は、本格的な花粉の飛散シーズンの前に、早めにICL治療を開始することも有用だと考えられます。

 

まずはICL治療に詳しい専門の眼科医に相談を

 

「眼内にレンズを挿入する」と聞くと、怖いと思う人もいるかもしれません。これに対して、ICL認定医としてこれまで数多くの治療経験を有する朝生先生は「当院は鎮痛作用のある点眼の麻酔薬に加えて、希望者全員に笑気麻酔を併用しており、術中の恐怖感にも対応しています」といいます。手術時間も両眼あたり約20~30分と、短時間で終了します。感染症のリスクも低く、朝生先生は「術後ケアをしっかり行えば、術後の感染リスクは限りなく抑制できます」と指摘します。レーシックのように角膜を削るわけではないので、見え方に不満がある場合は、再度レンズを交換・調整することも可能です。

 

ただし、ICL治療は誰でも受療可能な視力矯正方法ではなく、適応年齢や眼の状態など、いくつかの条件を満たす必要があります。また、近視の進行状況や眼の健康状態によっても、最適な治療法は異なります。だからこそ、花粉症やライフスタイルの悩みも含めて、まずは専門の眼科医と十分に相談し、自分にとって最適な選択肢を見極めることが重要です。花粉の季節を少しでも快適に過ごすために、「目の健康」と「視力のあり方」を、あらためて見直してみてはいかがでしょうか。

 

[出典・解説]

1. スターサージカル株式会社「近視が気になる20~40代男女への意識調査」(2025年3月実施)
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000073719.html

2. 日本眼科学会. 「アレルギー性結膜炎」 原因・病態

    https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=13

3. 日本医師会. 健康ぷらざPlus Vol.5 コンタクトレンズで目にトラブルを起こさないために

    https://www.med.or.jp/people/plaza/plus/vol5/

4. コンタクトレンズの装用、またレンズのよごれなどが原因となって、上まぶたの裏に直径1mm以上のブツブツ(巨大乳頭)ができる疾患です。主な症状は、強いかゆみ、異物感、白っぽい目やになど。アレルギー性反応や機械的刺激など(または両者の合併)が原因と考えられています。

5. 角膜に特殊なレーザーを照射することで角膜の形状を整形する視力矯正法です。角膜を物理的に削るので、術後に元の状態に戻すことはできません。また、術後はドライアイのリスクが若干高まることがわかっています。

 

朝生 浩先生(経堂あそう眼科 院長)

 


医学博士。日本眼科学会認定眼科専門医。日本大学医学部を卒業後、小川赤十字病院眼科医員、春日部市立医療センター眼科医長、小張総合病院手術責任医師などを経て、2022年に経堂あそう眼科院長に就任する。ICL治療にも詳しく、2017年にICL認定医を取得。日本では数少ないICLインストラクター(指導医)資格を有する。著書に「白内障手術パーフェクトマスター改訂増補版」(共著)などがある。

 

眼内コンタクトレンズ(ICL)治療について

眼内コンタクトレンズ(ICL)治療とは、⾓膜を削らずにレンズを⽬の中に挿⼊して視⼒を矯正する治療法です。インプランタブルコンタクトレンズ(Implantable Contact Lens)を略してICLと呼び、フェイキックIOL、有⽔晶体眼内レンズ、眼内コンタクトレンズと呼ばれることもあります。

ICL治療は、1980年代より開発が⾏われている⼿術法で、現在世界75か国以上の国々で実績があります。また、眼科医によって必要に応じてレンズを取り出せるので、手術前の状態に戻すことが可能です。

眼内コンタクトレンズ(ICL)について : https://jp.discovericl.com/

 


スターサージカル株式会社について

スターサージカル株式会社は米国に本社を持つスターサージカルカンパニー(STAAR Surgical Company、NASDAQ: STAA)の日本子会社です。40年以上にわたり眼科手術の分野に専心してきた米国スターサージカルは、眼内コンタクトレンズの設計・開発・製造・販売に従事しています。当社のレンズは、従来のわずらわしさから解放され、患者さんにVisual Freedom(視覚的自由)を提供することを目的としています。スターサージカルカンパニーはカリフォルニア州レイクフォレストに本社を置き、カリフォルニア州アリソビエホ、カリフォルニア州モンロビア、スイスのニダウで製造・包装施設を運営しています。スターサージカル株式会社の本社および流通センターの所在地は東京です。詳細については当社ウェブサイトstaarsurgical.co.jp(日本語)をご覧ください。