かつての暮らしを後世に―。福島大(福島市)の学生が、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の被災地を回って住民らに行ったインタビューをまとめた書籍「福島、語り継ぐ生活史」が出版された。発生から15年が経過して記憶の風化が懸念される中、震災前の生活や事故後の避難生活の様子などを記録し、教訓の継承を目指す。
福島大では、1年生を対象に、県内の被災地でのフィールドワークを通し、地域課題解決について学ぶ授業「むらの大学」を2014年度から実施。23年度からは、避難区域の設定で地域が分断された南相馬市小高区、全町避難が約8年続いた大熊町などの住民ら50人に話を聞き、原稿にまとめて冊子やウェブ上で記録してきた。
住民らは20〜80代で職業も農家や教員、元首長などさまざま。「住民が集まって田植えをし、終わると料理を持ち寄って酒を飲んだ」「釣りが好きで、自宅の目の前を流れる川に行って夕方まで過ごした」。原発事故で日常が奪われた悔しさや、古里復興に向け取り組む様子などが語られている。





