小児がん治療支援ソフトの開発を主導した広島大病院の佐伯勇准教授

 小児がんの子どもたちを支援するため、仮想現実(VR)で漫画のキャラクターと共にがんと闘いながら治療への理解を深めるソフトを開発したと、広島大などのチームが8日までに発表した。2025年のノーベル生理学・医学賞でも話題になった人気漫画「はたらく細胞」(講談社)が協力、副作用軽減の効果も臨床研究で検証する方針。

 チームによると、小児がんの治療は成人と比べ、体により強い負荷がかかることが多い。開発を主導した小児外科の佐伯勇准教授は「体内で何が起こっているのか理解し、治療に前向きになってもらいたい」と話す。

 VRを通した体験は、不安や痛みの軽減などの効果をもたらすと期待される。海外では「デジタル・メディシン」としてソフトが「処方」される例もあるという。

 ソフトは、プレーヤーである子どもたちが、細胞を擬人化した「はたらく細胞」の世界に入り、新米の細胞となってがん細胞と闘うという構成。リモコンでナイフなどの武器を操作し、ミサイルとなって降ってくる抗がん剤などの力を借りて、がん細胞に立ち向かう。