外国人捕虜の追悼式でスピーチする遺族のクイントゥス・ファンデルベイルさん。左は娘のリサさん=10日午前、長崎市

 太平洋戦争中、長崎市にあった外国人捕虜の収容施設「福岡俘虜収容所第14分所」で、事故や病気、原爆により亡くなった外国人の追悼式が10日、市内の追悼記念碑前で開かれた。分所で過ごし、戦後に亡くなったオランダ人元捕虜の息子クイントゥス・ファンデルベイルさん(60)がスピーチ。戦争体験をあまり語らなかった父に思いをはせ「平和の大切さを共に心に刻みましょう」と呼びかけた。

 遺族や在日オランダ大使館関係者ら計約20人が参列。原爆さく裂時刻の午前11時2分に合わせ黙とうし、献花した。

 クイントゥスさんの父はインドネシアのジャワ島で捕虜となり、第14分所に収容された後、原爆投下前に福岡県の収容所へ移送された。被爆を免れた一方、収容中は過酷で非人道的な労働を余儀なくされたという。初めて記念碑を訪れたクイントゥスさんは「(収容の歴史を)次世代に伝えなければならない」と強調。娘のリサさん(28)も遺影を手に参加し、祈りをささげた。

 市の出版物によると、収容所は爆心地から約1・7キロ地点にあった。