「日野町事件」の再審開始が確定し、阪原弘さんの遺影とともに記者会見する長男の弘次さん(左)=2月、大阪市北区

 滋賀県日野町で1984年に起きた強盗殺人事件で、再審開始を認めた2023年2月の大阪高裁決定を受けて検察が最高裁に提出した特別抗告申立書の内容が16日、判明した。新証拠の写真ネガなどの評価に「判例違反がある」と主張したが、最高裁は今年2月「単なる事実誤認の主張で抗告理由に当たらない」と棄却した。抗告で3年かかった末に一蹴された形で、弁護団の石側亮太弁護士は、判例違反はこじつけで「時間稼ぎ」と批判。検察抗告の実態の一端が明らかになった。

 再審制度見直しを巡り、検察関係者はこれまで、検察抗告を禁止すると一度の再審開始決定で確定判決が揺らぎ「法的安定性が害される」「裁判が四審制と化す」と主張。だが、異論が相次ぎ「原則禁止」とする刑事訴訟法改正案が15日に国会に提出されたが、抗告の余地は残された。

 無期懲役が確定した故阪原弘さんが遺体発見現場まで案内した「引き当て捜査」の報告書が確定判決の根拠の一つとなった。再審請求では旧証拠の引き当て捜査報告書に加え、同捜査で撮影されたネガが新証拠として提出された。