政府が2021〜25年度の国土強靱化重点策に盛り込んだ福祉施設の水害対策で、24年度までに被害の抑制措置を完了したのは、対象1690カ所のうち15%にとどまることが厚生労働省などの調査で分かった。未集計の25年度分を含めても目標の100%にならない見込みだ。運営事業者の費用負担が重く、建物を改修できないことが主な要因。避難に時間がかかる高齢者らの安全確保が進んでいない実態が浮かんだ。
福祉施設の浸水被害を巡っては、16年8月の台風により、岩手県岩泉町の高齢者グループホームの入居者9人が死亡した。これを受け、国は浸水の恐れがある施設に避難計画の策定を指示。その後も20年7月の九州を中心とする豪雨で、熊本県球磨村の特別養護老人ホーム「千寿園」の14人が犠牲となるなど、各地で被災が相次いでいる。
政府は20年12月、強靱化の「5カ年加速化対策」を決定。浸水や土砂災害などが想定される区域にある高齢者、児童福祉、障害者施設のうち、被災リスクが高い1690カ所で、利用者らが安全に避難するための施設改修を求めた。











