~掛川市の空き家活用4つの取り組み~

 近年、全国的にも問題となっている空き家。

 掛川市でも全国と同様に年々空き家が増加しており、空き家の所有者に対する指導や空き家を解体するための補助金などの空き家対策を行っています。

 そのような中、市内の空き家の状況を把握するため、令和7年度に空き家の実態調査を行い約、4万件ある建物のうち1,869件(4.7%)が空き家であることがわかりました。

 調査では、空き家の不良度、周辺への影響度、土地の利活用判定を同時に行い、約1,100件の空き家が小規模の修繕により再利用が可能であることもわかりました。

 掛川市では、空き家を地域の資源として捉え、空き家の利活用に重点を置いた政策を推進しています。この一つとして、空き家の可能性を市民に知ってもらうことで空き家に対する意識を変革するため、令和7年度に空き家活用モデル事業補助金(補助率2分の1、上限1,000万円)を創設しました。

令和7年度は、市内の空き家を改修し地域活性化に貢献する施設に改修し運営する方を募集し、4事業者を採択したので以下に紹介します。

 

 

 

No.1 くらみ里山留学推進空き家リノベーション事業

 掛川市の中山間地域にある倉真地区では、令和3年から、県下で初めての「里山留学」の児童の受け入れを行い、小学校の教育環境の安定化や空き家対策に取り組んでいます。

 現在2家庭が留学し、それぞれ倉真で暮らしています。

 留学家庭の相談ごとにも地域が親身になり対応するとともに、地域体験会なども開催し、地域全体の盛り上げを行っています。

 今後も留学家庭を継続的に受け入れることができるよう、補助金を活用し2件の空き家を里山留学用に改修しました。

 改修を行った建物は、小学校や学童保育所が隣接しており、子育てしやすい場所に受入れ住宅を整備し、現在里山留学生を募集しています。

改修した建物外観改修した建物内観1改修した建物内観2

里山留学のイベントの様子1里山留学のイベントの様子2

くらみ里山留学

 

 

 

No.2 Kakegawa Frontプロジェクト(かけがわ「」front

 静岡理工科大学の田井教授が、建築学科の学生や掛川東病院の院長先生と看護師がチームを組んで取り組み、まちづくりの拠点として活用する事業です。

 事業コンセプトは、小さな空間の中で、文化や健康などで、多様な人々が交錯し、居場所を見つける「最小限文化健康複合施設」です。

1階:カフェ&交流スペース として活用し、医師や看護師がバリスタとしてコーヒーを淹れ、健康相談を受けたりする予定です。

2階:ドミトリーとして学生3名が下宿しています。

3階:ゲストハウス(民泊)としてオープン予定です。

 

田井教授と学生のみなさん

 

建物内の様子1F建物内の様子2F建物内の様子3F

N o.3 ScarBaX Cafe (スカバ)

 掛川市南部の横須賀地区に交流とチャレンジが生まれる場がとしてScarBax Cafeが誕生しました。

 昭和初期の町家を改修し、外観は横須賀街道の景観にあったものにし、店内は今どきのおしゃれな内装となっています。

 ここでは単なるカフェにとどまらず、人と挑戦が集まる交流の『場』を目指しており、ワークショップを開催したり、地場の砂糖などを使ったスイーツを開発、販売するなどして、地域の活性化をしています。

 

ScarBax(スカーバックス)の由来は、

Scar ➡ 横須賀の「すか」 

Ba ➡ 交流・学びなど5つの「場」

X  ➡ 未知の可能性、新しい出会いが交わる場所

 

5つの『場』

①茶場 ➡ ドリンク片手に「交流の場」 ~カフェ

②学場 ➡ 「学びと挑戦の場」 ~ワークショップ等~

③市場 ➡ 「地域経済の循環を生む場」 ~地場の商品開発~

④宿場 ➡ 「移住体験の場」

⑤伝場 ➡ 「文化・伝統をつなぐ場」 ~横須賀街道の保存など~

改修前改修後

 

オーナー兼『場』リスタの藤田さん販売商品

スカバ|掛川・ 横須賀 旧街道の祭カフェ(@scarbax_cafe) • Instagram写真と動画

Scarbax / スカバ | Kakegawa-shi Shizuoka | Facebook

 

 

No.4 愛宕下美術館の保存再生と隣接空き家の民泊施設化計画

 同じく掛川市南部の横須賀地区にあり、建築物として価値があるものの閉館していた美術館と隣接する古民家を活用し、民泊とアート活動の場が誕生しました。

 コンセプトは「泊まれる美術館」です。

 歴史的価値の高い私設美術館は、多目的に使用できる展示用ホールとして活用し、隣接した空き家は民泊施設「愛宕下の宿」に改装し、宿泊者と「顔の見える関係」を築くため、管理者滞在型で運営が始まっています。

 また、改修した民泊施設でもアートが感じられる空間が提供されています。

 

愛宕下美術館外観愛宕下美術館内観

 

民泊施設「愛宕下の宿」1民泊施設「愛宕下の宿」2民泊施設「愛宕下の宿」3

愛宕下の宿 — 泊まれる美術館愛宕下の宿 — 泊まれる美術館
Instagram 

 

掛川市の空き家活用の今後

 これらは、これまで掛川市にはなかった多種多様なコンセプトによる新しい空き家の活用モデルであり、いずれも複数の関係者の共創が生み出したものとなります。

 今後は、これらの施設を起点としたまちの賑わい創出や、これらに続く空き家の活用が期待されます。

 今後も、空き家を地域の有効な資源として生かしながら、誰もが住み続けたい、訪れたいと思えるまちづくりを進めていきます。