豊橋市
 愛知県の豊橋市文化財センターは今秋、市内の文化財を取り上げる二つの講演会を開催します。2026年9月12日(土)開催の「とよはし歴史座」は文化財に指定を受けたばかりの豊橋祇園祭(市無形民俗文化財)、10月17日(土)の「葦毛(いもう)湿原再生フォーラム」は葦毛湿原(国天然記念物)で取り組んだ大規模植生回復作業にスポットを当てます。ともに今年度で節目の10回目です。多くの皆さんの受講をお待ちしています。
※タイトル・本文中の「祇」はネに氏。以下同じ。



9月12日(土) とよはし歴史座

 とよはし歴史座は「豊橋祇園祭の価値に迫る」と題して開催します。講師は、豊橋市文化財保護審議会委員を務める立命館大学准教授の佐藤弘隆さん。豊橋祇園祭の成り立ちと変遷、どのような点が文化財として評価されたのかについて話します。

手筒花火の奉納

 
 豊橋祇園祭は、豊橋市関屋町の吉田神社の例祭を中心として毎年7月第3金曜から日曜にかけて3日間にわたり実施される祭礼です。氏子八カ町(上伝馬町、札木町、本町、萱町、指笠町、三浦町、西八町、関屋町)によって奉納される手筒花火や、打ち上げ花火、吉田神社から素戔嗚神社へ神輿が渡御する「頼朝行列」で構成されています。
 その起源は、平安時代に疫病を鎮めるため京都で起こった御霊会(ごりょうえ)に求められ、江戸時代には曲亭馬琴の随筆で「吉田の花火は天下第一と称す」と絶賛されるなど、全国にその名をとどろかせました。
 祭りは、氏子町内を中心とした地域社会に支えられながら、形を変えつつ現代まで継承され、豊橋の都市形成史と地域文化史を象徴する重要な祭礼といえます。
 2026年6月、「豊橋祇園祭(吉田神社祭礼の花火と神幸行列)」として市無形民俗文化財に指定されました。 

豊橋祇園祭(笹踊り)

豊橋祇園祭(本祭)


10月17日(土) 葦毛湿原再生フォーム

 葦毛湿原再生フォーラムは「大規模植生回復作業を振り返る」を演題に開催されます。湿原内に樹木が侵入するなど遷移が進んだため、2013年1月から大規模植生回復作業が行われました。講演では、葦毛湿原調査員の吉田豊さんと市文化財センターの贄元洋学芸員が、どのような方法で植生回復を行ったのかを説明し、葦毛湿原の良好だった過去の状態からどのように遷移が進み、植生回復作業後、どのように再生したかを話します。

葦毛湿原全景

 植生回復作業では、愛知県絶滅危惧種の植物が復活するなど、湧水湿地として良好な状態に再生することに成功、成果を上げました。その取り組みは「日本自然保護大賞2021選考委員特別賞」を受賞しています。
 葦毛湿原は、豊橋市東部の標高70メートル前後の緩やかな傾斜地に広がる湧水湿地です。湿原の広さは約3.2ヘクタールで、湧水湿地としては国内最大級になります。市街地近郊にある身近な湿原として市民らに親しまれています。トウカイコモウセンゴケ、ミカワバイケイソウなど東海地方特有の植物や、ミカヅキグサといった寒冷地性の植物などが生育し、学術的価値の高さから、2021年10月、国天然記念物に指定されました。

植生回復作業

カワセミ


講演会場 開催時間
 とよはし歴史座、葦毛湿原再生フォーラムとも、会場、開催時間は同じです。
会場    豊橋市民センター「カリオンビル」多目的ホール(豊橋市松葉町)
開催時間  午後2時~午後4時30分(開始30分前に開場)
定員    99人(当日先着順、事前申し込み不要)
受講料   500円
その他   ご来場の際には、公共交通機関をご利用ください
問合せ   豊橋市文化財センター(0532-56-6060)
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