1匹丸ごと並べた鮮魚を無料で調理して差別化を図る売り場=中津川市手賀野、スーパーマーケットバロー中津川駒場店

 県内で食品スーパーの競争が激化している。人口減少に伴う市場の縮小、物価高、異業種との価格競争と逆風が続く中、他県のスーパー各社が出店攻勢をかけている。

 「今は戦国時代、ここは合戦場です。取った者が勝つんです」

 関東地盤の大手ベイシア(前橋市)の上席執行役員で、昨年10月に子会社化した三心(岐阜市)社長を兼務する大澤正樹氏は語る。

 全国スーパーマーケット協会(東京)などの統計によると、2026年の岐阜県内のスーパー店舗数(9月末時点)は、前年同月比1・3%増の311店舗と、2年連続で増えた。市場規模が比較的大きい県南部の出店が増え、一部地域では店舗が乱立する「激戦地」も生まれている。

 物価高だが、従来のように価格の安さだけで来店客を引きつけることはできない。勝ち抜くには、他社にはない特色を打ち出し、メリハリをつけた価格設定で変化する消費マインドへの対応を強める必要がある。

 中部地方を代表するスーパーとして地域に定着している「バロー」の親会社バローホールディングス(本部多治見市)の小池孝幸社長は「バローには勝てない、と言わせる努力をしていく」と意気込む。

 スーパーの経営は、物価高による仕入れ価格の上昇でかつてないほど厳しい。人件費や建設費の高騰も重なって、新規出店の壁は厚くなった。大手は企業の合併・買収(M&A)で規模を拡大し、シェア増大を図っている。生き残りを懸けた各社の戦略を追った。...