鉄道の旧駅舎を利用しオープンした「甲駅食堂」で料理を楽しむ家族連れら=8日午後、石川県穴水町

 2024年の能登半島地震で被災した石川県穴水町の甲地区に8日、鉄道の旧駅舎を利用した「甲駅食堂」がオープンした。運営を支える「穴水町甲復興団」団長で同町出身の東井孝允さん(44)=さいたま市=は「地域の人や観光客などが集い、能登らしさを未来につなげる場にしたい」と復興拠点となることを願っている。

 子どもたちが店の前に並んで「開店」を宣言すると、歓声や拍手が起こった。食堂は旧駅長室をキッチンに改装し、使われなくなったホームや待合室を飲食スペースとして活用している。

 友人と食事をしながら談笑していた河原秀子さん(85)は「仮設住まいになって人と話す機会が減ったので、みんなと笑って過ごせる場所ができてうれしい」と喜んでいた。

 復興団は、被災により活気を失った地域の様子に危機感を募らせた東井さんら地元出身の有志が結成。駅舎の改修にクラウドファンディング(CF)や地域再生を支援する助成金事業を活用した。当面は日曜のランチの時間帯に営業するという。