高山駅に到着した新しい特急車両「HC85系」=1日午前10時22分
下原ダム湖にカヤックを浮かべて「HC85系」を歓迎する住民ら=1日午前、下呂市和佐
JR名古屋駅のホームに入線するHC85系の特急「ひだ」1号=1日午前7時11分、名古屋市中村区

 夏休みを前に、飛騨高山観光の新たな〝橋渡し役〟が、待望のデビューを果たした。JR東海が新たに開発したハイブリッド方式の特急車両「HC85系」。県内を走る高山線の特急「ひだ」の新型車両として、1日から名古屋―高山間で運行が始まった。初日は大勢の旅行者を乗せ、夏真っ盛りの飛騨路を快走。下呂温泉や高山といった県内の観光地に送り届けた。

 1番列車のひだ1号は普通車指定席、グリーン車ともに満席だった。2年半のコロナ禍で、ひだの旅客数が半分に減る中での待望のデビュー。JR東海の金子慎社長は「(コロナ禍の前まで)ひだは外国のお客さまが多かった。今回のデビューを機に、多くの方にご利用いただきたい」と呼び掛けた。古田肇岐阜県知事は「岐阜県にとっては観光再生、アフターコロナに向けた出発だ」と飛騨観光の復活へ期待を寄せた。

 名古屋駅を出発した、ひだ1号は夏の青空と緑の山並み、涼やかな飛騨川の流れを車窓に映しながら、約2時間半かけて終着の高山駅へ。午前10時16分、汽笛を鳴らしながら駅ホームに入線すると、待ち構えていた鉄道ファンらがカメラのシャッターを切った。乗車した山梨県大月市の男性(30)は「静かで揺れが少なく快適だった。気動車ではなく、電車に乗っているような感覚」と乗り心地を振り返った。

 高山駅では高山、下呂、飛騨市と大野郡白川村の首長ら、地元観光関係者らによる歓迎セレモニーも。JR東海の柘植康英会長=大垣市出身=は「飛騨の匠(たくみ)に負けないよう造り上げた、渾身(こんしん)の新型車両。飛騨地域に国内外から多くのお客さまを運び、観光産業に貢献していきたい」と強調。鏡開きをして〝橋渡し役〟のデビューを祝った。