HC85系(特急ひだ1号)を出迎える子どもたち=1日午前、高山市一之宮町
焼石駅を通過するHC85系(特急「ひだ」1号)=1日午前、下呂市焼石
汽笛を鳴らして名古屋駅を出発するHC85系(特急「ひだ」1号)=午前7時43分、名古屋市中村区、JR名古屋駅
下原ダム沿いを走るHC85系(特急「ひだ」1号)=1日午前、下呂市金山町

 JR東海の新しい特急車両「HC85系」が1日、岐阜県内を走る高山線でデビューした。特急「ひだ」の新型車両として名古屋―高山間を運転。1番列車が朝、大勢の観光客を乗せて始発の名古屋駅を出発した。

 

◆名古屋駅で出発式、鉄道ファン集結

 名古屋駅では、1番列車の、ひだ1号が出発する午前7時43分に合わせ、出発式を開催。金子慎社長や古田肇岐阜県知事らがテープカットをして見送った。待望のデビューを写真に収めようと、多くの鉄道ファンがカメラを抱えて駅ホームに駆け付けた。1番列車は、指定席、グリーン席ともに満席となった。

 ひだ1号は、約2時間半かけて高山駅まで飛騨路を走った。途中の下呂駅には午前9時25分、終着の高山駅には同10時16分に予定通り到着した。下呂、高山駅では地元住民らによる歓迎セレモニーが行われた。

 HC85系は7月中は、ひだ1、4、10、17号の上下線計4本で運転。8月1日からは2、15号も加え、同計6本となる。当面は、名古屋―高山間の運転となるが、富山、大阪方面への運転も検討している。紀勢線でも今後投入される。

◆車内ミュージアム設置、沿線の工芸品並ぶ

 高山線は非電化路線。従来の特急車は、ディーゼルエンジンを1車両に2台搭載し、エンジンがじかに車輪を回していた。HC85系は、エンジンを1車両1台に削減。エンジンは発電機を動かす役目に変わり、その発電機で起こした電気と蓄電池の電気でモーターを回して走る「ハイブリッド方式」の特急車。

 

 騒音や振動が軽減したほか、駅停車中はエンジンを止めるアイドリングストップも可能に。車内にはミュージアムスペースを設置。「ひだ」では、岐阜うちわや飛騨春慶といった高山線沿線の伝統工芸品が鑑賞できる。高山線の車内放送は、岐阜高校ESS(英語研究)部の生徒が協力。「岐阜へ、ようおいでんさった」などと沿線の自然や文化といった観光案内を英語も交えて行う。

 高山線に乗り入れる前の東海道線の名古屋―岐阜間は、従来通り〝後ろ向き〟で走り、時速120キロまで出せる。