笠松競馬場内の清流ビジョンで行われたFC岐阜戦のパブリックビューイング。大勢のサポーターが観戦し、声援を送った

 真夏の夕暮れ、競馬場でサッカー観戦。J2「横浜FC―FC岐阜」(ニッパツ三ツ沢球技場)のパブリックビューイング(PV)が21日、笠松競馬場内で行われた。アウェー戦でスタンドに陣取った大勢のFC岐阜サポーターが、「清流ビジョン」に向かって熱い声援を送った。笠松競馬のジョッキーたちも来場者を歓迎。「豪雨災害義援金」への支援を呼び掛け、ハーフタイムには、じゃんけん大会で盛り上げた。

 猛暑続きで、多治見市や揖斐川町などで「列島最高気温」を記録する日も珍しくない岐阜県内。笠松競馬場では暑さを吹き飛ばす高原シリーズの熱戦に加え、楽しいサマーイベントも続々と実施。その第1弾ともいえる「FC岐阜戦PV」が開催され、田園風景広がるのどかな競馬場にサポーターが集結し、熱気がみなぎった。

鮮明で迫力ある清流ビジョン。競馬場内でJ2ライブ中継が実現した

 地元・岐阜をホームとするFC岐阜と笠松競馬の強力タッグで実現したコラボ企画。清流ビジョンは昨年4月、笠松競馬場内のゴール近くに新設された最新鋭大型ビジョン。縦8メートル、横17メートルの大画面で、鮮明な迫力あるレース映像が楽しめる。笠松競馬では、イベントなどでも幅広く活用してもらうため、清流ビジョンの利用レンタルも開始した。客席付きの大型ビジョンということで、有効利用が期待されている。

 FC岐阜戦のPVには普段の笠松競馬では見られない、親子連れでの観戦も多く、400人ほどのサポーターが来場した。清流ビジョン前では、打ち水サービスも行われ、午後6時にキックオフ。ホームの横浜FCに序盤からペースを握られ、前半に2点のリードを許したが、サポーターの熱い声援が飛び交い、FC岐阜のセットプレーでは手拍子も送られていた。

笠松競馬場の中央スタンドを埋めたFC岐阜のサポーターたち

「FC岐阜×笠松けいば」の記念タオルを掲げるジョッキーたち

 この日参加したジョッキーは、大塚研司騎手会長をはじめ、高木健騎手、吉井友彦騎手、佐藤友則騎手、島崎和也騎手、高橋昭平騎手の計6人。ハーフタイムには、詰め掛けたサポーターたちの前で「FC岐阜×笠松けいば」の記念タオルを掲げて、両者の共闘と友情をアピール。サッカー、競馬グッズ争奪のじゃんけん大会を開いた。

(左)盛り上がった「じゃんけん大会」。佐藤友則騎手(中央)と対決する子どもたち (右)キッチンカーも登場。ハーフタイムに列をつくるサポーターたち

 サポーターたちは、笠松リーディングジョッキーの佐藤騎手とのじゃんけん対決に挑戦。子どもたち限定でも行われ、佐藤騎手はなぜかチョキを出すことが多かったが、勝ち残った参加者には光るうちわやタオル、笠松競馬特製アルミボトルなどがプレゼントされた。場内にはキッチンカーも登場。来場者は、たこ焼きやポテトなどを求めて長い列をつくっていた。

 後半戦も横浜FCの勢いは止まらず、FC岐阜は3点目を献上。51歳・三浦知良選手と、35歳年下の16歳・斉藤光毅選手が途中出場。三浦選手が斉藤選手にパスを出すシーンもあり、見せ場をつくった。FC岐阜では、6試合連続ゴールを記録し、J2月間MVPにも輝いたFW古橋亨梧選手らが奮闘。シュート数では相手を上回ったが、最後までゴールネットを揺らすことはできなかった。

 横浜でのアウェー戦だったが、多くのFC岐阜サポーターが応援している姿が画面から伝わった。試合は0―3で敗れたが、「FC岐阜PV in笠松競馬」は大成功。関係者も「また笠松で開きましょう」と、次回のPV開催(来年になりそうだが)に意欲を示していた。試合終了後のあいさつでは、大塚騎手会長が「ご来場ありがとうございました.今度は競走馬を見に遊びに来てください。お盆開催もあります」とアピール。笠松競馬場に来たのは初めてというサッカーファンにも、競馬に興味を持ってもらおうと来場を呼び掛けていた。 

(左)豪雨災害で被災者義援金を寄せる来場者。笠松競馬のジョッキーたちが支援を呼び掛けた (右)笠松競馬開催日の最終レース終了後にも、豪雨災害義援金への協力を呼び掛けるジョッキーたち

 ジョッキーたちは、7月に発生した岐阜県を含む西日本豪雨災害で、被災者への支援を呼び掛け。来場した多くのサポーターたちが義援金を寄せていた。25、26日の最終レース終了後にも、戦いを終えたばかりの笠松のジョッキーたちが参加。競馬場正門前に並び、「豪雨災害で義援金の協力をお願いします」と呼び掛け。大勢の来場者が被災者への温かい浄財を寄せていた。支援活動は8月1、2日の笠松最終レース終了後にも行われる。