服薬や更年期の悩みにも対応

薬剤師 野路里枝 先生

 

かかりつけ薬剤師に気軽に相談を

 薬を提供する環境は年々便利になっています。中でもスマートフォン(スマホ)のアプリを活用した「電子お薬手帳」の登場により、簡単に薬を管理できるようになりました。どの薬局でも対応しているので、手元に手帳がなくてもスマホで情報を更新できます。子どもがいる家庭や高齢の家族がいる場合でも、アカウント管理をしていれば、家族で共有できたり、薬の情報を把握したりできます。V・ドラッグのアプリの場合、スマホで撮影した処方箋の写真をアプリやLINEで薬局に送信すれば、処方箋の事前受付をすることができます。薬の引き取り時期を通知する機能なども備えています。

  近年では、かかりつけ薬剤師の存在もクローズアップされています。服薬情報の継続的かつ一元的な管理や24時間対応、医療機関や医療スタッフとの連携が期待されていますが、一人一人に寄り添いながら、その人に健康を届けることを心掛けています。例えば、血圧の薬を渡すだけではなく、血圧をコントロールするための声掛けをしながら、健康状態が良くなるように関わっています。いつでも気軽に相談できる薬剤師が一人いることで安心感も得られます。些細なことでもいいので、気軽に相談していただければと思います。

女性特有の悩みに健康アドバイス

 健康をサポートするのも薬剤師の役割です。若年女性の場合、緊急避妊薬をはじめ、妊娠検査薬や排卵日検査薬など、研修を受けた薬剤師が説明します。妊娠中や授乳中の女性の場合、服用に迷うことが多くあるため、適切な助言ができるように努めています。年齢の高い方には、処方箋を持って来られた時に肌に合う化粧品や石けんなどのご相談も受けます。近年は働く女性も増え、早期閉経や生理不順、閉経にかけての健康管理など、女性ならではの悩みにも耳を傾けながら、健康のアドバイスをしています。

 多くいただくご相談の一つは、ホットフラッシュなど更年期の症状です。要因として女性ホルモンの1つであるエストロゲンの急激な減少が関連することをお伝えしたり、食事や運動の状況を確認したりします。さらには、最近話題のエストロゲンと似た働きをする成分『エクオール』についてもご説明します。

 エクオールは1日10mgを継続摂取すると、更年期症状の緩和やしわの改善などの効果が期待でき、成分を直接サプリメントとして摂取することが可能です。医療機関や調剤薬局で取り扱われているものなら、安心して飲み続けていただけると思いますので、セルフケアとしておすすめすることもあります。

 自ら知識を身につけ、食生活に気をつけるなどの積み重ねが日々の健康へとつながります。これからも皆さまから気軽にご相談いただける薬剤師を目指し、健康サポートを続けてまいります。

◆  ◆

 のじ・りえ 名城大学薬学部卒業。中部薬品株式会社(V・drug)医療事業本部医療人事部にて薬剤師教育を担当。愛知県女性薬剤師会で役員も務める。


 女性特有の身体の不調で日常生活に支障をきたしたり、気分が落ち込んだり、なんだかハッピーだと感じない...。そんな女性たちも少なくありません。

 女性の身体について知り、健康的に明るい毎日を過ごすためのヒントを学んでみませんか?