独特の文化圏を形成している〝関西〟。その食文化は異彩を放ち、この地だけの限定商品も多い。幸い、岐阜県は関西と隣り合っている。天下分け目の関ケ原を越えると、そこはもう関西だ。県境の先で、どんな〝関西の味〟と出会えるのか。旅行気分で越県してみた。
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岐阜県の関ケ原町。関ケ原合戦で知られるこのまちは、滋賀県米原市と接する〝県境のまち〟だ。それも、ただの県境ではなく、東海(中部)地方と関西(近畿)地方の境界でもあるから、ここを境にいろいろなものが変わる。もちろん、食文化も―。
関ケ原町を東西に走る国道21号を車で西に進むと、「滋賀県」のカントリーサインが見えてきた。ここから先は、滋賀県米原市。関西だ。愛知県に入る時とは違う緊張感がある。ちょうど昼前で、NHKのラジオ第1放送が気象情報を伝えていた。東海地方の天気だ。もしやと思い、ラジオの選局ボタンを押すと〝別の〟ラジオ第1が入る。こちらは近畿地方の天気だった。名古屋と大阪の電波が混在するようだ。
そんな体験をしながら県境を1キロほど進むと、早くもコンビニエンスストア(ローソン山東柏原店)を発見。店内に入ると、おぉ、菓子の棚にカルビーの「ポテトチップス 関西だししょうゆ味」が並んでいる。はっきりと「関西の味」と印字されている。
そして、カップ麺の棚には、日清食品の「どん兵衛」が君臨。東西でつゆの味が異なることで知られ、岐阜県内は東日本向けのつゆだが、ここは関西。カツオと昆布だしの「西日本限定」の商品だった。ちなみに、このどん兵衛、日清食品を取材した時、東日本向けのつゆを西日本の味に寄せてリニューアルしたと話していた。讃岐うどんチェーン店の全国展開で、つゆの好みが均一化してきたことが背景にあるようだ。
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さて、次はスーパーマーケットへ。この近くでは、さらに1キロ先、旧中山道・柏原宿にショッピングセンター信沢という小さな食料品店があった。ここにも、どん兵衛が置いてあったが、なんと「東日本限定」の商品だった。「うちは岐阜市の問屋から来るから」と店のおかみさん。これはこれで珍しく、逆の視点で、東日本の商品が買える関西の店ということになる。関ケ原を越えた、そんな〝貴重〟な、どん兵衛を購入し、店を後にした。
次を探すと、10分ほど行った、伊吹山の麓あたりに平和堂フレンドマート山東店があった。東洋水産の「赤いきつね」と「緑のたぬき」は〝関西限定〟の商品を置いていた。今は西日本限定になり、新大阪駅などでも土産物として売られている明治の「カール」もあった。「鴬ボール」といった関西のメーカーの菓子やポン酢、そして関西限定や関西名物と印字されているソース類も、とりあえず買い物かごに入れた。
もうひとつ、うんちくを挟むと、東洋水産の赤いきつねと緑のたぬきのつゆは、北海道向け、東日本向け、関西向け、西日本向けの4種類があり、岐阜県は東日本、滋賀県は関西、そして富山県など北陸地方は西日本のつゆで売られている。
つまり、北海道向け以外は岐阜県周辺で手に入ることになるが、実は、全つゆ制覇はあと一歩のところにある。北海道とフェリーで結ばれる福井県・敦賀港。その売店には、北海道限定の「やきそば弁当」が売られている。同じ東洋水産のカップ焼きそばだ。その流れで、北海道向けの赤いきつねと緑のたぬきも置いてくれたら、岐阜県周辺で全つゆ制覇というわけだ。
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いずれにしても、岐阜県境から10キロも離れていない場所を1時間ほど巡っただけだが、大阪旅行を楽しんだ後のような満足感だ。今回は、西の関西に注目したが、岐阜県は北と東も〝別の地方〟(北陸と甲信越)と接している。きっと、そこにも独自の限定商品があるはずだ。また再び、近場の県境エリアを巡ってみたい。









