「ナイスアート」「アート、パス、パス」。岐阜県各務原市下切町の川崎重工ホッケースタジアムで部活動に励んでいる岐阜各務野高校男子ホッケー部に、夏休みの2カ月間限定で、英領ジブラルタルに住む日置亜斗(アート)さん(14)が練習に加わっている。日本語は片言でも大好きなホッケーで毎日のように日本の高校生と汗を流し、「日本にいる間もホッケーができて楽しい」とピッチを駆け回っている。
かんたん検索! 岐阜県・東海のイベント お出かけ情報総合サイト「ぎふっと!」岐阜市生まれで、父は英国人のエドワード・ウィックスさん、母は日本人の佳子さん。小学校入学前にジブラルタルへ移り住んだが、母の実家のある羽島郡岐南町には、毎年のように遊びに来ていた。
ジブラルタルでは7月で年度が終わるため、新年度が始まる9月までは休みとなる。新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり今回は3年ぶりに日本を訪れたが、9歳から始めたホッケーを日本でどうしてもやりたいという日置さんの強い思いに押され、佳子さんが県ホッケー協会へ連絡。それを知った岐阜各務野高が快く受け入れた。
男子ホッケー部の酒井健之監督が「すぐに打ち解け、本当に楽しそうにやっている。うちの選手にとっても貴重な経験」と話すように、コミュニケーションをしっかり取りながらホッケーに打ち込んでいる日置さん。積極的に声を出して先陣を切る場面も見られ、「とても充実した練習ができていてうれしい」と語る。
真剣な表情で前向きに練習に取り組む背景には、向上心がある。「夢はオリンピックなどの国際大会に出場すること」と日置さん。ジブラルタルは年々ホッケー人口が減少し、所属しているクラブチームも大人を含めて約20人が在籍するのみだという。国際大会に出ていた記録は10年ほど前までしか残っておらず、「もっとジブラルタルのホッケー人口が増えてほしい」。日本で研さんを積み、ジブラルタルで活躍する―。そんな向上心も、日置さんを突き動かしている。
大きな夢を抱いて練習に参加しているが、練習後に岐阜各務野高の選手と談笑する姿は、まだあどけなさが残る14歳の少年だ。来年以降も夏休み期間は一緒に練習することを希望しており、「もっとうまくなって、またみんなとホッケーがしたい」と笑顔を見せた。










