新型コロナウイルスの感染拡大が、大学の部活動やサークルの新入生勧誘活動「新歓」に大きな影を落としている。岐阜大は3月、新入生へのチラシの手渡しや声掛けを禁止する案内を全学生団体に配布。例年構内で見られていた新歓は姿を消した。学生たちは会員制交流サイト(SNS)で新入生に呼び掛けたり、オンラインでの交流会を実施したりと、新たな新歓の在り方を模索している。
「もっと手振りを大きくしないと盛り上がらない」「新入生は音声のみで参加できるようにしてハードルを下げよう」-。約50人が所属する同大アメリカンフットボール部「ファントムズ」の部員は、パソコン前で打ち合わせを重ねる。毎年多くの新入生を獲得していたスポーツイベントや花見などが中止になり、ビデオ会議システム「ズーム」を使ったオンラインでの新歓イベントを開くためだ。
「同じ運営法人の名古屋大は対面新歓が一定のルール下で解禁されているのに、どうしてうちはだめなのか」と漏らすのは、同部新歓担当の3年生(20)。主将の4年生(22)は「昨年も対面での勧誘ができず、目標入部数に届かなかった。このままでは部の存続も危ぶまれる」と焦りを口にする。
大学側は「感染拡大防止と学生の健康確保を最優先した結果」と説明。代わりに、各団体のPRチラシを置ける場所を構内に設置。19日正午現在、119団体のうち30団体が大学会館内にチラシを置いている。
それでも「チラシを取ってくれる新入生は少ない。感染対策を徹底した上で対面新歓も認めてほしい」と新歓担当の学生は訴える。
学生組織「生協学生委員会」は、思うように新歓できない部活やサークルの力になろうと動く。2年の学生(19)は、上級生と新入生が交流できるオンライン上のプラットフォームをチャットアプリ「Discord(ディスコード)」で作った。入学式もなく、オンライン講義が続いた昨春を「友人もできず、下宿先のアパートでずっと1人。思い描いていた学生生活との落差ばかり感じていた」と振り返り、「今の1年生にはそんな思いをさせたくない」と話す。小規模なサークルや愛好会が情報発信する場にもなっており「サークル同士の連携も生まれている」と言う。
また、同大生向けのオンライン媒体「らくたんしーた」を運営する工学部4年加藤満基さん(21)は、ウェブアプリを新たにリリース。サークルや新歓を含む学内イベント、講義のレビュー、大学周辺の飲食店などを紹介している。
今春入学した地域科学部1年生(18)は「入学前にSNSを始めた。いろんなサービスやサポートがあるのはうれしい。積極的に使っていきたい」と話している。
県内では、ほかに朝日大が新歓のための不特定多数への声掛けを禁止。部活やサークルの紹介動画を構内のモニターで放送するといった措置を講じている。










