たじみDMOメンバー。創業支援の延長で「さかさま不動産」に乗り出す=6月30日、多治見市内
さかさま不動産のウェブサイト

 岐阜県の多治見市観光協会(たじみDMO)は、物件を借りたい人の思いや目標をウェブ上に公開して貸主を募る取り組みを始める。「さかさま不動産」として三重県の会社が運営するウェブサイトに情報を載せ、マッチングして空き家活用や創業支援に役立てる。背景には空き家があっても流通しにくい問題があり、逆転の発想で流通促進を図る。こうした取り組みは県内で初めてという。

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 さかさま不動産は、三重県桑名市の会社On-Co(水谷岳史・藤田恭兵共同代表)が運営。これまでに名古屋市の書店や三重県鳥羽市の廃棄物利用アート製作場などのマッチング実績があり、国土交通省「まちづくりアワード2022」で特別賞を受賞した。宮城県気仙沼などに続く4拠点目となる「多治見支局」を名乗る。

 たじみDMOはこれまでも創業したい人に空き家を紹介してきたが、「誰にでも貸したいと思っているわけではない」家主が多く、物件の開拓が課題だった。まちづくりのためなら協力する姿勢もあることから、地域密着でフォローする仕組みとして導入した。出店希望者には市のビジネスプランコンテスト出場や人の紹介など他の創業支援メニューも合わせて展開する。家主側にとっても物件情報を不特定多数にさらすことなく借り手を探せる利点がある。

 COO(最高執行責任者)の小口英二さん(43)は「出店希望者はいても借りられる空き家が少ないのが現状。志を可視化することで、潜在的空き家オーナーの心を動かすことができれば」と話す。

 一方で、同協会は市の補助金や民間寄付による「まちづくり基金」を本年度立ち上げ、借り上げて改修した上で入居させるなどの方法も視野に入ってきた。需給をうまくつなぐことで空き家活用の成功事例を増やしたい考えだ。

 27日午後6時30分からは多治見市本町のヒラクビルで、多治見支局開局イベントとしてOn-Co幹部らが語るトークや交流会がある。入場無料。同協会ウェブサイトから参加申し込みが必要。