「人造人間キカイダー1」(サンデー・コミックス)

 高校卒業後、ゴロ先生は漫画家・中城けんたろう先生のアシスタントに入る。厳しい修業を経て、石ノ森章太郎先生の石森プロに作画スタッフとして参画。そこでいきなり石ノ森先生の「人造人間キカイダー」の作画メンバーに加わり、伝説に名を連ねる。その後「よいこ」(小学館)連載の「キカイダー」のコミカライズでプロ漫画家デビューを果たした。

 以降、「仮面ライダー」シリーズなど石ノ森原作や「飛び出せマリオ」(91年)、「海江田万里の損をしない遺産相続」(山田ゴロ・画、87年)といった幅広いジャンルの漫画を手がけ、その点でも師・石ノ森先生を彷彿(ほうふつ)とさせる。現在は時折「怪談師」をして、映画・ドラマの制作などにも携わりつつ、江戸川大学(千葉県流山市)で後進の育成に当たっている。

「やつるぎ村―忘れたくない 忘れられない物語」(ボイジャー)

 そんな“69歳現役”のゴロ先生からこれから漫画家を目指す後輩たちにメッセージがある。

 「今流行(はや)っている漫画はそれぞれの個性が際立っています。そういう作品がヒットするのでしょう。誰でも楽に描ける漫画になってしまうのは残念。ですから、自分しか描けない漫画を追求して欲しいと思います」

 それぞれの心の中に眠る“山田ゴロ”を追求してほしい。

(特撮・アニメ研究家 岩佐陽一)

海江田万里の損をしない遺産相続(飛鳥新社)

 いわさ・よういち 1967年1月21日生まれ。神奈川県出身。株式会社「BAD TASTE」代表。著作は「70年代カルトTV図鑑」(文芸春秋)、「仮面ライダー大全」(双葉社)など。映像は映画「渋谷怪談1・2」など。現在、CS・ファミリー劇場番組審議員、i―MEDIA(国際映像メディア専門学校)講師を務める。

◆お便り募集!

 山田ゴロ先生は、石ノ森章太郎原作の仮面ライダーシリーズ、人造人間キカイダー、ロボット刑事、イナズマン、がんばれ!!ロボコン、秘密戦隊ゴレンジャーなど、多くの作品に携わりました。読者の皆さんから作品の思い出、先生へのメッセージ、イラストを募ります。はがきに住所、名前(ペンネーム可)、年齢、電話番号を明記し、〒500―8577、岐阜市今小町10、岐阜新聞社「山田ゴロ」係まで送ってください。