放水訓練で合掌造り集落に高々と上がる水柱=30日午前8時2分、大野郡白川村荻町
放水訓練で合掌造り集落に高々と上がる水柱=30日午前8時2分、大野郡白川村荻町

 岐阜県大野郡白川村荻町の合掌造り集落で30日、火災に備えた一斉放水の訓練があった。集落内の温泉施設から出火し、経営者の男性が亡くなった今年2月の火災を受け、地区ごとで計画的に放水する試みも初めて行われ、住民が合掌家屋と命を守る手順を確認した。

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 かやぶき屋根の合掌家屋は火の気に弱く、延焼を防ぐため集落内には59基の放水銃が設置されている。訓練は空気が乾燥する冬を前に、毎年実施。2月の火災では鎮火までに時間がかかり、全ての放水銃を稼働し続けることで貯水タンクの水が尽きてしまうのでは―と懸念する声が出ていた。

 訓練では集落を5地区に分け、消防団員らが鎮火状況を想定しながら「東2地区は放水をやめてください」などと防災無線で指示し、それに基づき一部地区で放水を停止。各区に配置された団員が集落全域に無線の音が届いたか確かめた。

 「限りある水なので、指示があると、安心感が違う」と国重要文化財「和田家」当主の和田正人さん(62)。無線で指示を出した今藤建二さん(49)は「住民からの意見を集め、聞こえにくい場所にはスピーカーを増やすなど、万一に備えたい」と話した。