大舞台で活躍するトップアスリートは、勝負をものにしたり、ピンチを脱したりする技を必ず持っている。東京五輪・パラリンピックの開幕まで、2カ月余り。県ゆかりの選手がこれまでの競技人生で培い、磨き続ける「十八番(おはこ)」を5回にわたって紹介する。
かんたん検索! 岐阜県・東海のイベント お出かけ情報総合サイト「ぎふっと!」スケートボードのパーク男子の第一人者・笹岡建介(MKグループ、華陽フロンティア高出)には、試合で必ず組み込む技がある。板の後方をコースの一部に当てて会場に豪快な音を響かせる「ボディージャー」だ。「正直、得点にどれぐらい反映されているかは分からない」と笑いながらも、取り組む理由は単純だ。「かっこいいから」
ボディージャーは、バックサイド側にエアした後、板の後方部分の「テール」を「コーピング」と呼ばれるコース上部の縁の鉄パイプに当てて、「バンッ」と音を出す技。着地の際に会場中に派手な音をとどろかせる存在感のある技だが、試合で取り組む選手は少ない。
身に付けようと思ったきっかけは、3年ほど前。海外選手の動画を見て「かっこいいな。自分もできそう」と感じた。失敗すれば大けがにつながる可能性もある技であるため、「国内の大会でやっている選手をほとんど見たことがなかった」と、我流で習得。板の微妙なコントロールや重心のバランスなどの精度を高め、半年ほどで公式戦でも使えるような武器にまで磨いた。今では「どの会場でも必ずやる」と、すっかり笹岡お馴染みの技の一つとなっている。
6歳で競技を始め、中学2年で日本協会の公認プロに。第一人者としてクローズアップされるが、高い技術を追求し続ける根幹には「趣味の延長というか、楽しいから」という童心のような気持ちがある。技を習得する難しさや失敗への恐怖は、一貫して「楽しい」や「かっこいい」というモチベーションで乗り越えてきた。「他の人がスケートボードを楽しんでいる感覚と一緒」と謙遜するが、純粋にスケートボードを楽しみ続けた結果、今や戦う舞台は世界トップのステージとなった。
東京五輪の開幕までいよいよ約2カ月。五輪予選対象大会の最終戦となる国際大会は米国で20日に始まるが、「やるべきことをやって練習の成果を発揮したい」と笹岡に気負いはない。これまで通りスケートボードを楽しみ、ボディージャーの豪快な音を「かっこよく」会場に響かせて、五輪切符をつかみ取る。








