砂糖なしで加工したドライフルーツを紹介する安藤誠社長=同、本社工場併設店
輸入イチジクの包装作業をする従業員。水準にかなうものだけを出荷する=土岐市駄知町、多々楽達屋本社工場

 素材本来のおいしさを追求したドライフルーツやナッツを届けたい-。果物栽培が盛んなわけでもない岐阜県土岐市に、突如登場したドライフルーツ製造、販売会社「多々楽達屋(たたらちや)」(同市駄知町)。元は製陶業を営んでいた安藤誠社長(50)=同所=が、消費者とのやり取りの中で砂糖を使わないドライフルーツに可能性を見いだし、起業した。国内で流通する果物を加工する一方で、世界各地から目利きの品を輸入販売している。ふるさと納税では、これまでとは違う客層への広がりを期待する。

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 最初は陶磁器とセットにして売るために仕入れたが「中身だけ売ってほしい」と客に言われ、力を入れるようになった。砂糖不使用の製品を望む声を受け、扱うメーカーが少ないと知って自ら手掛けることにした。

 ドライフルーツは従来からあるが、輸入品が多く、品質管理のしやすさから糖蜜漬け加工をしたものが主流だった。「果物はほとんどが水分で、当社のドライフルーツは水分を含ませると重量が5~10倍に増える。その水分が砂糖に置き換わっていたとすれば、甘すぎると感じるのは当然ですよね」と安藤社長。

 一方、ビタミンやミネラルが豊富で、漢方薬の材料にもなる果物やナッツ自体は、美と健康に関心が高い層には魅力ある食品。品質管理を徹底して砂糖なしで柔らかい加工を成功させ、そうした加工ができる取引先も開拓した。輸入品も本社工場で厳選する。

 コスタリカ産のパイナップル、南アフリカ産のマンゴー、トルコ産の白イチジク。ナツメやクコ、アンズといった薬膳に使われる素材も取りそろえる。国産は「みずみずしさが特徴だけに、ドライには不向きなものが多い」というが、イチゴやブドウ、リンゴなど、付加価値を生み出せる果物を選び加工している。

 販売はデパート地下の食料品売り場を中心に、30~50代女性をメインターゲットにして展開してきた。「百貨店に営業はしていないが、他店での評判を聞いて出店依頼をいただいた」。これまでに東京、名古屋、大阪、札幌、仙台など11店舗を出店。本社店舗と合わせて12カ所を直営している。ブランドの確立に成功し、次はギフトなど一般流通ルートでの展開を考えている。

 ふるさと納税は、1年ほど前から関わり始めた。土岐市の返礼品はほとんどが美濃焼という中、ドライフルーツは異彩を放つ。「市の税収増に直接寄与できるのは喜び。食品について国内メーカーへの信頼性は高いので、ふるさと納税が関心が高い層を掘り起こすチャネルになれば」と意義を感じている。