新型コロナウイルス感染の第5波への対策で、岐阜県内に発令されている3度目の緊急事態宣言。期限の12日まで、6日で残り1週間となった。政府が大都市部を軸に期限を延長する方向で調整に入る中、県内の新規感染者数や病床使用率などはピーク時から減少しているものの、過去の感染拡大期と比べると依然として高い水準だ。重症者は増加傾向で、医療提供体制の逼迫(ひっぱく)した状況は続いている。

 「下降に向かっているが、まだまだ非常に高い水準。高止まりの状況だ」。2日の記者会見で、古田肇知事は厳しい表情で県内の感染状況を分析した。

 県内に緊急事態宣言が発令されたのは8月27日。26日には新規感染者数は384人、宿泊療養施設の入所者は24日に975人、直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は30日に114・01人となるなど、宣言前後で各指標が過去最多を大幅に更新した。

 宣言に伴う飲食店の休業や営業時間短縮の要請など人流を抑える対策の効果もあり、感染者は6日時点で125人、8月21日からスタートした自宅療養はピーク時は932人だったが、5日時点で349人まで減少した。他の指標も含め減少傾向にはあるが、第3波と第4波のピーク時と比べれば2~3倍の数値で、引き続き高い数値で推移している。

 特に懸念されるのは医療提供体制への影響だ。感染者は減ってはいるが、重症者は増加傾向で、この1週間で10人増え、従来見られた高齢者の重症化はワクチン接種で抑えられている一方、重症者22人のうち50代以下が20人と、まだ接種が進んでいない若年層の重症者が目立つ。

 重症者1人に対し、医療スタッフが容体を常に確認する必要があり、医療現場への負担は重くのし掛かる。第5波ではこれまでに、圏域を越えた転院や、ドクターカーが出動できないなどのケースも発生。重症者の増加が続けば、医療資源がコロナ対策に集中し、通常診療に影響を及ぼす可能性もある。

 県健康福祉部の堀裕行部長は「感染者の増加に遅れて重症者は増加するが、今回もまさに同様の傾向。医療提供体制は非常に厳しい状態だ」と指摘する。その上で、「改めて基本的な感染対策を徹底してほしい。ここで全体の感染者数を抑えなければさらに厳しくなる」と警戒を強める。